ダイワのベイトリールに採用されているTWS(T-Wing System)は、独特な形状のレベルワインダーによってキャスト時のライン放出抵抗を減らす機構です。金属素材で作られているため、「ラインとの摩擦で熱が発生し、SICリングなどと比べてラインが傷みやすいのでは?」と疑問を持つ人もいます。
この記事では、TWSの素材や構造、ラインへの影響、一般的なSICガイドとの違いについて、釣り具の仕組みを踏まえて詳しく解説します。
ダイワTWSの構造と素材について
TWSは、ダイワ独自のレベルワインダー機構で、通常のレベルワインダーよりもライン放出時の抵抗を減らすことを目的に設計されています。特徴的なのは、T字型の開口部によってキャスト時にはラインが広い部分を通り、巻き取り時には狭い部分へ戻る構造です。
TWSのラインが接触する部分は金属素材ですが、単純な金属板にラインを擦りつけるような構造ではありません。表面処理や形状設計によって、ラインへの負担を抑える工夫がされています。
また、ベイトリールのレベルワインダー部分は常に高速でラインが擦れ続ける場所ではなく、キャスト時の短時間に接触する程度であるため、通常使用で大きな摩擦熱が発生してラインが急激に劣化するケースは少ないです。
金属製TWSでもラインが傷みにくい理由
ラインへのダメージは、素材そのものだけで決まるわけではありません。重要なのは、接触面の滑らかさ、摩擦の大きさ、ラインへの圧力など複数の要素です。
例えば、表面が粗い金属部品であればラインを傷つける可能性がありますが、精密加工された部品であれば摩擦抵抗は小さくなります。TWSは実際のキャスト性能を考慮して設計されているため、通常の使用範囲では問題が起こりにくい構造です。
もちろん、砂や塩分などの異物が付着した状態で使用すると、どのようなリールでもラインへのダメージは増加します。メンテナンス状態のほうが、素材の違い以上に影響する場合があります。
SICガイドとTWSの違いとは
SIC(シリコンカーバイド)リングは、主にロッドのガイド部分に使用される素材で、非常に硬く摩擦抵抗が少ないことが特徴です。そのため、特にPEラインを使用する釣りでは高性能なガイド素材として広く採用されています。
一方でTWSは、ロッドガイドのように長時間ラインが滑り続ける場所ではなく、リール側でラインの放出角度や抵抗を改善するための機構です。そのため、単純に「SICより硬いか柔らかいか」だけで比較するものではありません。
例えば、キャスティング時の飛距離やバックラッシュ軽減を重視する場合はTWSのメリットが大きく、ガイド全体でライン摩擦を減らす場合はSICガイドの性能が重要になります。
TWS使用時にラインを長持ちさせるポイント
TWSを搭載したリールでも、ラインを良い状態で維持するには定期的な確認が大切です。特にPEラインを使用する場合は、先端部分の毛羽立ちや傷をチェックすると安心です。
例えば、岩場での釣りや大型魚とのファイト後は、ライン先端に目に見えないダメージが入っていることがあります。TWSだけを原因と考えるのではなく、釣り場環境や使用状況も確認する必要があります。
また、レベルワインダー周辺に砂や塩が残っている場合は、清掃することで不要な摩擦を防ぐことができます。
TWSはどんな釣りに向いているのか
TWSは特にベイトリールで遠投性能を求める釣りや、ルアーを快適にキャストしたい場面でメリットがあります。バス釣り、ロックフィッシュ、ソルトルアーなど幅広いジャンルで使用されています。
例えば、軽量ルアーを投げる場合や、頻繁にキャストを繰り返す釣りでは、ライン放出抵抗の少なさが操作性の向上につながります。
一方で、ラインへの負担を心配する場合でも、適切なライン管理とリールメンテナンスを行えば、TWSを安心して使用できます。
まとめ
ダイワのTWSは金属素材を使用していますが、ラインを傷めることを目的とした構造ではなく、摩擦や抵抗を抑えるために設計されています。
SICガイドとは役割が異なるため、単純にどちらがラインに優しいかを比較するものではありません。リールではTWS、ロッドではSICというように、それぞれの場所で性能を発揮しています。
ラインを長持ちさせるためには、素材の違いだけでなく、ラインの状態確認やリールの清掃など日頃のメンテナンスも重要です。


コメント