プロレスでおなじみのエビ固めや片エビ固めは、見た目の分かりやすさや豪快な決まり方から多くの人に知られている技です。しかし、総合格闘技(MMA)のような実戦的なルールでは、こうしたプロレス由来の技が本当に通用するのか気になる人も多いでしょう。
実際の総合格闘技では、プロレスのような形そのままのエビ固めを見る機会は少ないものの、似た原理を持つ抑え込みや首・背中へのプレッシャーを利用した技術は存在します。この記事では、MMAでのエビ固め系の技の可能性や、なぜ試合で頻繁に使われないのかを解説します。
エビ固めや片エビ固めとはどのような技なのか
エビ固めは、相手の両足を抱えながら体を反らせて固定するプロレス技です。相手の肩をマットにつけてフォールを狙うことを目的としており、プロレスでは非常に有名なフィニッシュ技の一つです。
片エビ固めは、片方の足だけを抱えて相手の体を反らせる形で押さえ込む技です。見た目には相手を完全に動けなくしているように見えますが、基本的にはピンフォールによる勝敗が存在するプロレス向けの技術です。
一方、総合格闘技ではフォールによる勝利はなく、相手を降参させるサブミッションや打撃による決着が目的になります。そのため、同じ形でも使われ方が変わります。
MMAの試合でエビ固めそのものが決まりにくい理由
総合格闘技では、相手を仰向けに固定しているだけでは勝利になりません。そのため、エビ固めのように相手を押さえ込むだけの技は、目的が少なく実戦向きとは言いにくい部分があります。
例えば、相手の足を抱えてエビ固めの形に入ったとしても、相手は肩を上げて逃げる必要がありません。MMAではフォールを防ぐという考え方がないため、プロレスとは違った対応ができます。
また、エビ固めの体勢になると相手の上半身への攻撃や関節技への移行が難しくなる場合があります。MMAでは常に有利なポジションを取り続けることが重要なので、より実戦的なポジションが優先されます。
エビ固めに近い技術は総合格闘技にも存在する
ただし、エビ固めのような体勢が全く存在しないわけではありません。MMAでは相手の足をコントロールしながら体を反らせたり、背中や腰に圧力をかけたりする技術が使われることがあります。
代表的な例としては、柔術やグラップリングで使われるバックコントロール、マウントポジションからの体勢維持、足関節技への移行などがあります。見た目は異なりますが、相手の体の自由を奪うという考え方は共通しています。
また、柔術では相手の足を絡めたり、体を反らせたりする動きが多くあります。プロレス技として知られる形が、別の目的や技術体系の中で発展しているケースもあります。
実戦で決まる可能性があるケースとは
ガチの総合格闘技でも、状況によってはエビ固めに近い形になることはあります。例えば、相手が疲れていて動きが止まった場面や、グラウンドで完全にコントロールされた状態では、特殊な抑え込みが有効になる可能性があります。
ただし、その場合でも目的はプロレスのようなフォールではなく、相手の動きを制限して打撃につなげたり、別の関節技や絞め技へ移行したりすることです。
トップレベルのMMA選手は、相手が逃げる選択肢や反撃まで考えて技を選択します。そのため、見た目が派手な技よりも、勝利につながる効率的な技術が選ばれています。
プロレス技と総合格闘技の技術の違い
プロレス技が総合格闘技で使われない理由は、技が弱いからではありません。競技ルールや目的が違うため、最適な技術が変化しているのです。
プロレスでは観客に分かりやすい動きや技の美しさが重要になります。一方、MMAでは相手を制圧して勝利することが最優先されるため、より合理的な技術が発達しています。
例えば、プロレスで人気のある技でも、MMAでは途中で逃げられたり、逆に下の選手が有利な展開を作れたりする場合があります。格闘技では技そのものよりも、状況に合わせた使い方が重要になります。
まとめ|エビ固めはMMAでも似た技術はあるが、そのままでは決まりにくい
エビ固めや片エビ固めは、総合格闘技の試合でプロレスと同じ形で決まることは非常に少ない技です。理由は、MMAにはフォールという勝敗システムがなく、単純な押さえ込みでは勝利につながらないためです。
しかし、相手の体を固定する、足を制御する、体勢を崩すといった考え方は、柔術やMMAの中にも存在しています。プロレス技と実戦格闘技の技術は完全に別物ではなく、目的に合わせて形を変えながら受け継がれています。
そのため、総合格闘技ではエビ固めそのものを見る機会は少なくても、その技が持つ身体操作の考え方は、現代のグラップリング技術の中にも活かされていると言えます。


コメント