弓道で現在使っている弓より強い弓へ移行する時、1kg上げるか2kg上げるかは多くの射手が悩むポイントです。特に伸弓から並弓へ変更する場合は、同じ弓力表示でも引き味や矢飛びの感覚が変わるため、慎重に選ぶ必要があります。ここでは、14kgの弓から15kg・16kgへ移行する際の考え方や、無理なく弓力を上げるためのポイントを解説します。
伸弓から並弓へ変更するときに確認したいこと
伸弓と並弓では、同じkg数でも引き分けた時の感覚が異なります。伸弓は弦を引く距離が長くなるため、矢束が長い人に適しています。一方で並弓は一般的な矢尺に合わせた設計になっており、矢束が長い人の場合は弓の性能を十分に発揮できるか確認が必要です。
矢束が84cmある場合、現在14kgの伸弓を使っている理由は、長い引き尺に対して弓の負担や引き味を調整する目的もあります。並弓へ変更する場合は、単純に弓力だけを見るのではなく、実際に引いた時の張りや角見の効き方も重要になります。
特に直心Ⅱカーボンのような反発力のある弓では、数字以上に強く感じることがあります。そのため、試射できる環境があるなら15kgと16kgを実際に引き比べることが最も確実です。
14kgから15kgへ上げるメリットと特徴
14kgから15kgへの変更は、身体への負担を抑えながら弓力アップを狙える選択です。1kgの差でも弓道では引き味が変化し、矢飛びや離れの感覚が良くなる場合があります。
特に週2〜3回程度の練習頻度の場合、急激な弓力アップよりも少しずつ身体を慣らす方が安定した射につながりやすいです。肩や肘への負担も少なく、フォームを崩さず移行しやすい点がメリットです。
例えば、14kgで現在安定して会まで入り、離れでも余裕がある場合は15kgでも十分に弓力アップの効果を感じられる可能性があります。弓力を上げる目的が「強い弓を引くこと」ではなく「より良い射をすること」であれば、無理のない選択が重要です。
14kgから16kgへ上げるメリットと注意点
16kgへの変更は、高校時代に同じ16kgの並弓を使用していた経験がある場合、選択肢として十分考えられます。過去に問題なく引けていた弓力であれば、身体が感覚を取り戻す可能性もあります。
ただし、数年間のブランクや練習量の変化がある場合、当時と同じ感覚で引けるとは限りません。16kgは15kgよりも弓の反発力が強く、引き分けから会に入るまでの余裕が少なくなることがあります。
具体的には、会で肩が詰まる、勝手が縮む、離れで力んでしまう場合は弓力が合っていない可能性があります。強い弓を選ぶより、正しい射形を維持できる弓を選ぶことが上達への近道です。
弓力を選ぶ時に見るべき基準
弓力を決める時は、単純な筋力ではなく「余裕を持って引き切れるか」が重要です。目安として、練習終盤でも同じ射形で引ける弓力が自分に合った弓力と言えます。
例えば、最初の数射だけなら16kgを問題なく引けても、立ちで何十射も引いた時に射形が崩れるなら、実戦的には15kgの方が適している場合があります。
また、身長や体格だけではなく、手の大きさや取り懸けの感覚も影響します。手が小さい場合は、強すぎる弓によって勝手や手首に余計な力が入りやすいため注意が必要です。
直心Ⅱカーボンを使用する場合の考え方
直心Ⅱカーボンは反発力と矢飛びの良さが特徴の弓で、比較的しっかりした引き味を感じやすい弓です。そのため、同じ16kgでも柔らかい弓とは印象が異なります。
現在も直心Ⅱカーボン14kgを使用している場合、同じシリーズで15kgへ移行すると違和感が少なく、弓の性能差を感じながら練習できます。
一方で高校時代に16kgの直心Ⅱカーボンを問題なく扱えていた経験があり、現在も14kgで余裕があるなら16kgへ戻すことも可能です。ただし、購入前に試射できるなら数射ではなく、ある程度の本数を引いて判断することがおすすめです。
まとめ|弓力アップは数字より安定して引けるかが大切
14kgの伸弓から並弓へ変更する場合、15kgと16kgのどちらが正解というより、現在の射の安定度によって選ぶことが大切です。
無理なく移行して射形を維持したい場合は15kgが安全な選択になりやすく、現在14kgで余裕があり、高校時代の16kgを問題なく扱えていた経験を活かしたい場合は16kgも候補になります。
最終的には、会で余裕を持てること、離れが自然に出ること、練習後半でも射が崩れないことが弓選びの基準です。弓力だけを追求せず、自分の射を最も良くしてくれる一本を選ぶことが上達につながります。


コメント