高校ラグビーで東京は強いのかと聞かれると、答えは「歴史的には全国屈指の強豪地域。ただし近年は神奈川、とりわけ桐蔭学園ほど圧倒的ではない」という整理が分かりやすいです。
東京には目黒学院、國學院久我山、東京高校、早稲田実業、本郷など全国大会経験のある強豪校が複数あり、都大会のレベルそのものは高い状態が続いています。一方、全国高校ラグビー大会、いわゆる花園の優勝争いという観点では、近年の神奈川県・桐蔭学園の実績が突出しています。
つまり、「昔は強かったけれど今は弱い」と言い切るのも正確ではありません。東京は今でも全国大会出場を狙える強豪校が複数ある地域ですが、近年は全国優勝級の結果が神奈川ほど続いていない、というのが実態に近いでしょう。
- 東京は高校ラグビーの歴史では間違いなく強豪地域
- 目黒と國學院久我山が全国トップだった時代があった
- 1980年代半ばにも東京勢の全国優勝があった
- 近年の全国高校ラグビーは神奈川・桐蔭学園が突出している
- 「東京が弱くなった」より「桐蔭学園が強すぎる」と見る面もある
- 現在の東京には強豪校が複数ある
- 東京都内の競争はむしろかなり激しい
- 目黒学院は伝統校として現在も強い
- 國學院久我山も全国的な伝統校
- 東京高校や早稲田実業などの存在も東京の層を厚くしている
- 埼玉も高校ラグビーの伝統が強い地域
- 現在の関東勢をざっくり比較するとどうなる?
- 東京が全国優勝から遠ざかって見える理由
- 「東京は昔だけ強かった」という評価は少し極端
- 東京の強みは一強ではなく強豪校の多さ
- まとめ:東京は今でも強豪地域。ただし近年の全国トップは神奈川が一歩どころか数歩リード
東京は高校ラグビーの歴史では間違いなく強豪地域
東京の高校ラグビー史を振り返ると、全国大会で何度も優勝校を出しています。特に1970年代から1980年代にかけては、目黒高校と國學院久我山が全国の中心的な存在でした。
日本ラグビーフットボール協会の大会記録では、目黒高校は1970年度、1973年度、1974年度などに全国優勝を果たしています。また1976年度にも優勝しており、この時代には全国大会決勝の常連でした。[参照]
さらに國學院久我山も1975年度、1978年度、1982年度、1986年度などに全国制覇を経験しています。MBSの全国高校ラグビー歴代記録でも、1975年度決勝は國學院久我山対目黒という東京勢同士の決勝でした。[参照]
目黒と國學院久我山が全国トップだった時代があった
昔の高校ラグビーを知る人にとって、東京はかなり強い地域というイメージがあります。その大きな理由が、目黒高校と國學院久我山の存在です。
1970年代の目黒は全国大会で何度も決勝へ進出し、複数回優勝しています。1973年度、1974年度には連覇を達成しており、当時の高校ラグビーを代表するチームでした。[参照]
國學院久我山も1970年代後半から1980年代に全国優勝を重ねています。1982年度には決勝で目黒を31-0で破って優勝、1986年度にも熊谷工業を破って全国制覇しています。[参照]
1980年代半ばにも東京勢の全国優勝があった
東京勢の強さは目黒と久我山だけではありません。1985年度には大東文化大学第一高校が全国高校ラグビーで優勝しています。
同大会の決勝では大東大一が本郷高校を破っており、ここでも東京勢同士が全国決勝を戦いました。[参照]
このように歴史を振り返れば、東京は「昔はそこそこ強かった」というレベルではなく、全国優勝校を何度も生み出した高校ラグビーの伝統地域と言えます。
近年の全国高校ラグビーは神奈川・桐蔭学園が突出している
一方、近年の関東高校ラグビーで最も強烈な存在感を示しているのは神奈川県の桐蔭学園です。
全国高校ラグビーの歴代結果を見ると、桐蔭学園は2019年度、2020年度、2023年度、2024年度、2025年度に優勝しています。特に2023~2025年度は3連覇を達成しました。[参照]
神奈川県も2026年2月、桐蔭学園が第105回全国大会で3連覇を達成したことを公式に紹介しています。[参照] この近年の実績と比べると、東京勢が全国レベルでやや目立ちにくく見えるのは自然です。
「東京が弱くなった」より「桐蔭学園が強すぎる」と見る面もある
東京と神奈川を比較するときには、単純に東京のレベル低下だけで説明しないほうがよいでしょう。近年の桐蔭学園が全国高校ラグビー史でもかなり強い時期に入っているためです。
桐蔭学園は花園だけでなく、2025年3月の全国高校選抜大会でも優勝しています。決勝では京都成章を36-0で破り、全国選抜5回目の優勝を果たしました。[参照]
全国大会を連覇・3連覇する学校と比較すれば、多くの都道府県が相対的に弱く見えます。そのため近年については、「東京が全国で通用しない」のではなく、「神奈川に全国最強クラスの桐蔭学園が存在している」という面も大きいです。
現在の東京には強豪校が複数ある
近年の東京都内では、目黒学院、國學院久我山、東京高校、早稲田実業、本郷などが上位を争っています。
例えば2025年東京都春季大会では、目黒学院が決勝で國學院久我山を7-0で破って優勝しました。目黒学院公式によると、同校はこの結果で関東大会へ16大会連続、45回目の出場を決めています。[参照]
國學院久我山も2025年の関東大会へ出場し、2026年には関東大会Dブロックで優勝しています。[参照] したがって東京の上位校が関東レベルで弱いというわけではありません。
東京都内の競争はむしろかなり激しい
東京の特徴の一つは、一つの学校だけが毎年圧倒するのではなく、複数の強豪校が競い合っている点です。
近年の都大会では目黒学院と國學院久我山だけではなく、早稲田実業や東京高校なども上位へ入っています。2025年の花園予選では、東京高校が準決勝で國學院久我山を19-8で破っています。その後の決勝では早稲田実業が東京高校を27-22で下しました。[参照]
このように都内で強豪同士が潰し合うため、「東京代表=毎年同じ全国優勝候補」という構図になりにくい面があります。
目黒学院は伝統校として現在も強い
現在の目黒学院は、かつて全国優勝を重ねた目黒高校の流れをくむ強豪です。学校公式ではラグビー部が1959年創部であることを紹介しており、現在も東京都大会や関東大会で上位へ進んでいます。[参照]
東京都内では近年も花園予選、春季大会、新人大会などで優勝争いを続けており、東京を代表するチームの一つです。
ただし、昔の目黒高校のように全国大会で優勝や準優勝を繰り返す時代と比べれば、全国での存在感が小さく見えるのは事実です。
國學院久我山も全国的な伝統校
國學院久我山は、高校ラグビーの歴史を語るうえで欠かせない東京の名門です。全国優勝経験が複数あり、現在も東京大会の上位常連です。
2025年春季東京都大会では目黒学院に0-7で敗れて準優勝でしたが、それまでの試合では大量得点で勝ち進んでいます。また同年関東大会では東海大相模と対戦しています。[参照]
全盛期ほど全国優勝に近い状況が毎年続いているわけではありませんが、全国大会や関東大会を狙える力を保っている学校です。
東京高校や早稲田実業などの存在も東京の層を厚くしている
東京都高校ラグビーの強さを見る場合、目黒学院と久我山だけを見ないことも重要です。
東京高校は花園出場経験が豊富で、2025年の東京都予選でも久我山を破って決勝へ進みました。早稲田実業も2025年の花園予選を勝ち抜くなど、近年存在感を高めています。
そのほか本郷、東京朝鮮、明大中野なども大会によって上位へ進出します。県内トップ校への戦力集中が強い地域とは違い、東京都内には比較的多くの競争相手がいるのが特徴です。
埼玉も高校ラグビーの伝統が強い地域
関東で埼玉が強いという印象にも理由があります。過去には熊谷工業や深谷など全国で存在感を示した学校があり、熊谷はラグビーの盛んな地域として知られています。
近年では昌平が県内の中心的な強豪の一つとなっており、2025年の第105回全国大会埼玉県予選でも決勝で熊谷高校を36-22で破っています。[参照]
一方、近年の花園で「全国優勝」という尺度だけを使うなら、神奈川・桐蔭学園の成績は埼玉勢よりもさらに突出しています。
現在の関東勢をざっくり比較するとどうなる?
全国大会の実績を中心に非常に大まかに整理すると、近年の関東高校ラグビーは次のように見ることができます。
| 地域 | 主な強豪 | 近年の印象 |
|---|---|---|
| 神奈川 | 桐蔭学園、東海大相模など | 桐蔭学園が全国最上位。現在の関東では突出 |
| 東京 | 目黒学院、國學院久我山、早稲田実業、東京、本郷など | 層は厚い。関東上位級だが近年の全国優勝は遠い |
| 埼玉 | 昌平、深谷、熊谷工業、川越東など | 伝統・競争力とも高い |
| 栃木 | 國學院栃木など | 全国上位進出実績あり |
| 千葉 | 流経大柏など | 全国大会常連の強豪が存在 |
このため、東京を「関東では弱い側」と見るのは少し違います。全国トップ級の学校が複数ある関東の中でも、十分強豪地域に入ります。
東京が全国優勝から遠ざかって見える理由
東京勢が昔ほど全国優勝しなくなった背景には、高校ラグビー全体の競争が激しくなったことがあります。
現在は東福岡、桐蔭学園、東海大大阪仰星、大阪桐蔭、京都成章、御所実業など全国各地に高度な育成環境を持つ強豪があります。2020年代の全国大会優勝校を見ても、桐蔭学園、東福岡、東海大大阪仰星などが並んでいます。[参照]
昔より全国の育成レベルが均質化し、強豪地域が増えたため、東京の伝統校が強さを維持していても全国制覇の難易度自体が上がっています。
「東京は昔だけ強かった」という評価は少し極端
全国優勝回数だけを見ると、東京の黄金期が昔に集中していることは確かです。目黒、國學院久我山、大東大一などが全国の頂点を争った1970~80年代と比べれば、現在は全国制覇から距離があります。
しかし現在でも東京都春季大会や花園予選では複数の強豪が高いレベルで競争し、関東大会へ進出しています。目黒学院は2025年に関東大会へ16大会連続45回目の出場を果たしています。[参照]
したがって、「昔は全国最強クラス、現在も強豪地域だが、全国優勝候補としての突出度は以前ほどではない」という表現が最も近いでしょう。
東京の強みは一強ではなく強豪校の多さ
東京の高校ラグビーを評価するときには、全国優勝校の有無だけでなく、強豪校の数を見ることも重要です。
目黒学院、國學院久我山、東京、早稲田実業、本郷などが年度によって勝敗を入れ替えています。実際、2025年の東京都大会でも春は目黒学院が久我山を破り、秋の花園予選では東京高校が久我山を破り、最終的に早稲田実業が東京高校を破るという展開になりました。[参照][参照]
これは一校だけが圧倒的に強い地域とは異なる面白さです。都予選そのものの競争が激しいため、毎年代表争いを見る価値があります。
まとめ:東京は今でも強豪地域。ただし近年の全国トップは神奈川が一歩どころか数歩リード
東京の高校ラグビーは、歴史的には間違いなく全国屈指の強豪地域です。1970~80年代には目黒高校や國學院久我山が何度も全国制覇し、大東大一も優勝。東京勢同士による全国大会決勝まで複数回ありました。
一方、近年は全国優勝という結果が東京勢から出ておらず、神奈川県の桐蔭学園が2019、2020、2023、2024、2025年度と優勝し、直近では3連覇しています。[参照]
そのため「昔ほど全国で突出していない」という印象はおおむね合っています。ただし、目黒学院、國學院久我山、早稲田実業、東京高校、本郷など有力校が複数あり、関東大会でも戦えるため、現在の東京を「高校ラグビーが弱い地域」と評価するのは適切ではありません。
現在の整理なら「東京は歴史的な超強豪地域で、今も関東の強豪地域。ただし近年の全国タイトル争いでは、桐蔭学園を擁する神奈川のほうが明確に上」と考えるのが最も分かりやすいでしょう。埼玉も伝統と層の厚さを持っていますが、東京も十分に同じ強豪圏の一角です。

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