大相撲の観戦席の中でも、土俵との距離が比較的近く、昔ながらの相撲観戦を楽しめるのがマス席です。九州場所でもマスA席は人気がありますが、初めて利用する人が特に気になりやすいのが「4人マスに本当に大人4人で座れるのか」という点です。
4人マスは文字通り4人で利用することを前提とした席ですが、一般的なイス席のように一人ずつ独立したスペースが確保されているわけではありません。そのため「定員4人」と「大人4人が広々と快適に座れる」は別の話として考えたほうがよいでしょう。
特に高齢者と一緒に長時間観戦する場合は、単純に入れる人数だけでなく、足腰への負担、姿勢を変える余裕、荷物を置く場所、途中で席を立つ際の動きやすさまで考えることが大切です。ここでは九州場所の4人マスを3人・4人で利用した場合の違いを中心に解説します。
九州場所の4人マス席はどれくらいの広さ?
日本相撲協会が公開している九州場所の座席図では、4人マスは約135cm×135cmと示されています。つまり、およそ1.35m四方のスペースを4人で共有する形です。[参照]
面積で考えると約1.82平方メートルです。単純に4等分すれば一人分は約67.5cm×67.5cm相当になりますが、実際には四角形をきれいに4分割して座るわけではありません。脚を曲げたり伸ばしたりする空間を同じマスの中で共有するため、数字から想像する以上に隣の人との距離は近くなります。
また、日本相撲協会によると九州場所では2008年に4人用マス席のサイズが拡大され、それに合わせて座布団も変更されています。現在は正方形の一人用座布団4枚ではなく、長方形の2人用座布団2枚を連結した構造が採用されています。[参照]
大人4人で座ると「広々」ではなく密着感のある観戦になる
約135cm四方のマスに大人4人が入ること自体は想定された利用方法です。そのため「4人では座れないほど狭い」という意味ではありません。しかし、大人4人で広々と足を伸ばして観戦できるスペースではないと考えておくほうが現実的です。
例えば大人4人が2人ずつ前後に座ると、それぞれの脚がマス中央付近に集まります。体格の大きい人がいたり、全員が同時に楽な姿勢を取ろうとしたりすると、脚の置き場所を譲り合う必要が出てきます。
逆に家族や親しい友人同士で、多少身体が近くても気にならない場合には、大相撲らしい独特の観戦体験として楽しめます。マス席の魅力はホテルのような広さではなく、座布団に座り、食事を楽しみながら土俵を見る昔ながらの雰囲気にもあります。
4人マスを3人で使うと快適さはかなり変わる
同じ約135cm四方でも、利用人数が4人から3人になると一人あたりに使える空間は単純計算で約33%増えます。もちろんマスを均等に分割するわけではありませんが、空いた一人分のスペースを脚や荷物に利用できるため、体感上の余裕は大きくなります。
例えば3人なら、両親が奥側にゆったり座り、もう一人が手前側に座るなど、その時々で姿勢を調整できます。足が疲れてきた人が少し脚を崩すためのスペースも確保しやすくなります。
お土産や飲食物などの荷物を置く場所にも余裕が生まれます。大相撲観戦は短時間のスポーツ観戦とは異なり、早い時間から入場すると長時間会場で過ごすため、こうした余白が後半になるほどありがたく感じられることがあります。
高齢の両親と行くなら3人利用はかなり合理的
高齢者を連れて行く場合、最大の問題は単なる「狭さ」よりも、長時間床に近い位置へ座り続けることです。若い人ならあぐらや横座りへ簡単に姿勢を変えられても、膝、股関節、腰に不安がある人では負担になることがあります。
4人でいっぱいに使うと、姿勢を変えようとしても隣の人の脚や荷物があるため自由に動けません。3人なら空いている場所を利用して脚の向きを変えたり、一時的にスペースを広く使ったりしやすくなります。
特に「両親にできるだけ楽に相撲を楽しんでもらう」ことを最優先するなら、4人マスをあえて3人で利用するのは非常に相性のよい使い方です。定員いっぱいまで人を連れて行く必要はありません。
体格によって4人利用の快適さは大きく変わる
同じ大人4人でも、全員が小柄な場合と大柄な男性4人の場合では体感する広さが大きく異なります。
例えば小柄な大人2人と子ども2人なら比較的収まりやすい一方、肩幅が広く脚の長い成人男性4人では窮屈に感じやすくなります。大人2人と高齢者2人の場合も、身体の大きさ以上に「自由に姿勢を変えられるか」が重要になります。
したがって「大人4人なら必ず狭い」「3人なら必ず快適」と断定するより、同行者の体格や身体状況まで含めて考えるのが適切です。
マスA席の「A」は広さではなく席の位置に関する区分
初めて購入する場合に誤解しやすいのが、「マスAならBやCより広いのではないか」という点です。基本的にA・B・Cなどの区分は土俵からの位置などによる席種の違いであり、Aだから一人あたりの空間が大幅に広くなるという意味ではありません。
したがってマスA席を購入した場合でも、4人マスなら「4人で共有するマス席」という性格そのものは変わりません。
マスAの大きな魅力は、広大なスペースを確保できることより、比較的土俵に近い位置から迫力ある取組を観戦できることにあります。
九州場所のマス席には独特の座布団がある
九州場所には他会場と少し異なる特徴があります。日本相撲協会によれば、2008年に4人用マス席を拡大した際、それまでの正方形の座布団4枚から「長方形の2人用座布団2枚」へ変更されました。さらに2枚は連結されています。[参照]
そのためYouTubeなどで両国国技館のマス席を見てイメージしている場合には、九州場所の実際の座席と細部が異なることがあります。
九州場所について調べる際は、単に「大相撲 マス席」で検索した写真だけを見るのではなく、九州場所の会場・座席を撮影した映像や公式座席図を確認するとイメージしやすくなります。
3人と4人の違いを比較
| 比較項目 | 大人3人 | 大人4人 |
|---|---|---|
| 座る余裕 | 比較的余裕あり | かなり近い距離になる |
| 脚の置き場所 | 調整しやすい | 譲り合いが必要になりやすい |
| 荷物スペース | 確保しやすい | 少なくなりやすい |
| 姿勢変更 | しやすい | やや難しい |
| 高齢者との観戦 | 余裕を確保しやすい | 身体状況によっては負担 |
| マスの定員 | 1席分余裕 | 定員どおり |
特に長時間観戦する場合は、前半では気にならなかった数十cmの余裕が、後半になるほど重要になってきます。
高齢者連れなら事前に確認しておきたいこと
高齢者とマス席で観戦する場合には、チケットを取れた時点で一度「床に座った状態を長時間維持できるか」を確認しておくと安心です。
例えば自宅で座布団に30分ほど座ってみて、あぐら、正座、横座りなどが可能か確認します。膝や股関節が痛くなったり、一度座ると立ち上がるのが非常に難しかったりする場合は、当日も同様の問題が起こる可能性があります。
持ち込み可能な物や使用できる補助具については開催年・会場の案内を必ず確認してください。自己判断で大きな座椅子などを持参すると、スペースや会場ルールの問題で使用できない可能性があります。
荷物はできるだけコンパクトにする
4人マスを快適に利用するうえで意外に重要なのが荷物です。人間だけなら収まっても、大きなリュック、コート、お土産袋などが加わると、一気にスペースが少なくなります。
特に寒い時期は上着がかさばります。人数が多いほど荷物も増えるため、必要以上に大きなバッグを持ち込まないようにすると快適です。
3人利用の場合でも、空いた場所を最初から荷物で埋め尽くしてしまうと、せっかくの余裕がなくなります。空いたスペースは高齢者が姿勢を変えるために残しておくと便利です。
出入りしやすい座り方も考えておく
高齢者連れの場合は、誰がマスのどこに座るかも重要です。トイレなどで頻繁に席を立つ可能性のある人が奥へ入ると、そのたびにほかの人が身体を動かさなければならない場合があります。
足腰に不安がある人、トイレへ行く回数が多い人などは、可能な範囲で出入りしやすい側に座ると負担を減らせます。
3人利用なら一人分の空間があるため、こうした移動もしやすくなります。これは単純な座面積以上に、3人利用の大きなメリットです。
「せっかく4人分あるから4人で」は必ずしも正解ではない
4人分のチケットがあると「一席空けるのはもったいない」と感じるかもしれません。しかし、マス席の場合は空席そのものが快適性につながります。
特に目的が「できるだけ多くの人を連れて行くこと」ではなく「高齢の家族に大相撲を楽しんでもらうこと」なら、一人分を余裕として使う価値は十分あります。
反対に同行者全員が比較的小柄で、床座りに慣れており、多少窮屈でも大相撲の雰囲気を楽しみたいという4人なら、定員どおり4人で利用する選択も問題ありません。
まとめ:大人4人なら利用可能だが「広々」ではない。高齢者連れなら3人利用も有力
大相撲九州場所の4人マス席は、大人4人で利用することを想定した正式な席です。日本相撲協会が公開している九州場所の座席図では、4人マスは約135cm×135cmとなっています。[参照]
ただし、約1.35m四方に大人4人が座るため、一般的な感覚で「4人でも広々」という空間ではありません。身体の距離は近く、脚の置き場所や荷物のスペースを譲り合いながら観戦することになります。
高齢の家族とゆったり観戦することを優先するなら、4人マスを3人で利用する方法はかなり合理的です。空いたスペースによって姿勢を変えやすくなり、荷物にも余裕が生まれます。
一方、4人全員が床座りに慣れていて、多少窮屈でも気にならないのであれば、定員どおり4人で大相撲ならではのマス席観戦を楽しむこともできます。最終的には人数だけでなく、同行者の体格、膝や腰の状態、長時間の床座りが可能かどうかを基準に決めるのがおすすめです。
特に親孝行を目的とした観戦なら、空いている一人分を「もったいない席」ではなく、両親が一日快適に観戦するためのスペースと考えると判断しやすくなります。


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