3Pが苦手な選手は現代バスケでも必要?ポジション別に見る「シュート以外」の存在価値

バスケットボール

現代バスケットボールでは3ポイントシュートの重要性が大きく高まり、センターまでアウトサイドシュートを求められる時代になりました。その一方で、3Pを得意としない選手がトップレベルで重要な役割を担うケースも珍しくありません。

ポイントになるのは、「3Pを打てない=価値がない」ではなく、シュート力の不足によって生じるデメリットを、ほかの能力やチーム編成で補えるかという点です。現代バスケにおける3Pが苦手な選手の存在価値を、ポジションや戦術との関係から整理します。

3P全盛時代でも全員がシューターである必要はない

3Pが重視される最大の理由は、単純に3点を取れるからだけではありません。アウトサイドから得点できる選手を配置するとディフェンスをゴールから遠ざけられ、ドライブやカット、インサイドへのパスに使えるスペースを広げられます。このスペーシングが現代バスケでは非常に重要です。

ただし、コート上の5人全員が優秀な3Pシューターでなければオフェンスが成立しないわけではありません。3Pが不得意な選手が1人いても、残る選手が十分なシュート力を持ち、その選手自身にリング周辺での決定力、スクリーン、パス、ドライブ、オフェンスリバウンドなどの武器があれば強力なラインナップを作れます。

むしろ重要なのは「シュートできない選手を何人同時に置くか」です。ノンシューターが増えるほど相手はペイント付近を固めやすくなり、味方のドライブコースまで狭くなります。1人なら戦術で補えても、2人、3人と増えるほど編成上の制約が大きくなるという考え方が基本です。

センターは3Pがなくても価値を作りやすい

センターは現代でも、3Pを持たない選手が比較的活躍しやすいポジションです。リムプロテクト、リバウンド、スクリーン、ロブへのフィニッシュ、ポストプレーなど、ゴール周辺で担当できる仕事が非常に多いためです。

例えばピック&ロールでセンターが強烈なスクリーンをかけ、そのままリングへ走り込めば、シュートを打たなくてもディフェンスを引き付けられます。守備側がセンターへのロブやゴール下を警戒すれば、ボールハンドラーやコーナーのシューターにスペースが生まれます。

つまりセンターの場合、3Pによる「外側への重力」を持たなくても、リング付近で得点できる「内側への重力」によってスペースを作れます。3Pがないこと自体より、リング周辺でどれだけ相手に脅威を与えられるかが重要になります。

パワーフォワードはセンターとの組み合わせが重要

パワーフォワードも3Pなしで活躍できますが、センター以上に編成の影響を受けます。特にPFとCの両方がアウトサイドシュートを持たない場合、相手の大型選手2人がペイント周辺に残りやすくなるためです。

一方、センターが外からシュートできる場合には、3Pの苦手なPFをカッターやスクリーン役として使いやすくなります。逆にPFがシューターなら、シュートのないセンターをリング周辺に配置できます。

現代ではポジション名だけで役割を考えるより、5人のスキルをどう組み合わせるかが重要です。そのため「PFだから3Pが必要」「Cだから不要」という単純な線引きでは判断できません。

SF・SGの守備スペシャリストにも需要はある

スモールフォワードやシューティングガードでは、ビッグマン以上にアウトサイドシュートが求められます。それでも、相手のエースを守れるほど優れたディフェンダーには大きな価値があります。

特にプレーオフや短期決戦では、相手の中心選手と何度も対戦するため、1対1で簡単に突破されず、スクリーン後にも複数ポジションへ対応できるウイングは重要です。シュートが平均以下でも、守備、リバウンド、トランジション、カットなどでプラスを生み出せれば起用する理由があります。

ただし相手から完全に無視されるほどシュートの脅威がない場合、味方のエースがダブルチームを受けやすくなります。そのため現代の守備型ウイングには、必ずしも一流シューターでなくても、オープンなら守備側が放置できない程度の得点能力を持つことが大きな武器になります。

ポイントガードは3Pなしでも成立するが条件が厳しい

ポイントガードにも、パスとドライブを中心にゲームを組み立てるタイプは存在できます。特にスピードや突破力が突出していれば、3Pが不得意でもディフェンスを崩すことが可能です。

例えば相手がシュートを警戒せずスクリーンの下を通る守り方をしても、それを利用して加速できる、ミドルレンジを決められる、ゴール下まで侵入してフィニッシュやキックアウトにつなげられる、といった別の回答を持っていればオフェンスを成立させられます。

しかし、ボールを長時間保持するPGが外から完全に放置されると、相手は守備位置を下げられるため攻撃が難しくなります。そのため3PのないPGには、守備側が下がってもなお突破できるほどのドライブ能力やゲームメイク能力が求められます。

「3Pがない」より「ボールを持っていない時に何ができるか」が重要

ノンシューターを評価するときに見落としやすいのが、オフボール時の働きです。3Pを打てない選手が3Pラインの外に立っているだけでは、守備側はその選手から離れて味方を助けられます。

そこでスクリーンをかける、ゴールへカットする、ダンカースポットへ移動する、オフェンスリバウンドへ入る、ボールを受けて素早くハンドオフするなど、放置されたことを利用するプレーが重要になります。

逆にシュートが不得意でも、ボールを持てば強烈なドライブができ、持っていない時にはスクリーンやカットができる選手なら、ディフェンス側も簡単には無視できません。シュート力だけでは測れない部分です。

3Pが苦手な選手を生かせるチーム編成

ノンシューターを生かす基本は、その選手の周囲にシュート力を配置することです。例えばリング周辺に強いセンターを起用するなら、残り4人をアウトサイドへ広げる「4アウト」の形を作ることでセンターの長所を最大化できます。

ドライブ型のガードを中心にする場合も同様で、周囲にキャッチ&シュートが得意な選手を置けば、ガードを止めるために守備が収縮した瞬間にキックアウトできます。このようにチーム全体でスペーシングを確保すれば、個人の弱点を補えます。

反対に、シュートのないPG、PF、Cを同時に使うようなラインナップでは、ペイントエリアに守備が集中しやすくなります。個々には優秀でも、組み合わせによって長所を消してしまう可能性があるため注意が必要です。

現代バスケで求められるのは「弱点がない選手」だけではない

理想だけを言えば、全員が3Pを決められ、ドライブでき、パスも守備もできるチームは非常に強力です。しかし現実には、そのすべてを高水準でこなす選手は限られています。

そこで重要になるのが役割分担です。ある選手はシュート、ある選手はエースストッパー、ある選手はリムプロテクト、別の選手はゲームメイクというように、それぞれの強みを組み合わせてチームを作ります。

3Pが苦手でも、それを上回る武器があり、チームが弱点を隠せるなら十分に存在価値があります。一方で、3Pもなく、ボールを持った時の脅威もなく、守備などで大きなプラスも生み出せない場合は、現代バスケでは起用が難しくなります。

まとめ

3P全盛の現代バスケットボールでも、3Pが苦手な選手の需要がなくなったわけではありません。センターならリムプロテクトやスクリーン、PFならインサイドや守備、SF・SGならエースストッパー、PGならドライブやパスなど、シュート以外の能力によって大きな価値を生み出せます。

ただし、以前よりも3Pがないことによる戦術上のデメリットが大きくなっているのも事実です。そのためノンシューターには、弱点を補って余りある強みが求められます。

現代バスケを理解するうえでは「3Pを打てるか」だけを見るのではなく、その選手を5人の中に入れた時にスペーシングが成立するか、そして攻守でどんなプラスを生み出せるかを見ることが重要です。3Pは非常に重要な能力ですが、今なおバスケットボール選手の価値を決める唯一の基準ではありません。

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