日本人F1ドライバーとして長く最高峰カテゴリーを戦ってきた角田裕毅。2026年はレッドブルおよびレーシングブルズのテスト兼リザーブドライバーとなりましたが、2027年に再びF1のレギュラーシートを獲得できるのかは大きな注目点です。
2026年8月には、アイザック・ハジャーの負傷をきっかけにレーシングブルズからオランダGPへ出場する機会が巡ってきました。そこで11位まで走ったことで、F1公式サイトも角田が再びF1関係者の注目を集めたと評価しています。つまり、2027年のレギュラー復帰は十分に可能性が残されている一方、確実と言える状況ではありません。
角田裕毅は2026年にF1レギュラーシートを失った
角田は2021年にF1デビューし、アルファタウリ、RB、レーシングブルズを経て、2025年途中からレッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めました。しかし2026年のレッドブルはフェルスタッペンとアイザック・ハジャー、レーシングブルズはリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドというラインアップになりました。
その結果、角田は2026年のレギュラーシートから外れ、レッドブルとレーシングブルズのテスト兼リザーブドライバーになりました。ただし、これはレッドブルとの関係そのものが終了したという意味ではありません。F1公式サイトでも、角田が両チームのリザーブを務めていることが紹介されています。
重要なのは、角田がF1チームの活動から完全に離れず、シミュレーターやリザーブ業務を通じて現行F1との接点を維持していることです。レギュラー復帰を狙うドライバーにとって、チーム内部に残っていることは一定のメリットがあります。[参照]
オランダGPで突然巡ってきたF1復帰のチャンス
2026年8月、角田に大きな転機が訪れました。レッドブルのハジャーが手首を負傷したため、レーシングブルズのローソンがレッドブルへ移り、その空いたレーシングブルズのシートに角田が起用されたのです。
角田にとっては久しぶりの実戦であり、しかも急な代役でした。それでもオランダGPでは11位でフィニッシュしました。ポイント獲得となる10位にはわずかに届かなかったものの、F1公式サイトはこの走りによって角田が再びF1のレーダーに戻ったと評価しています。[参照]
これは2027年を考えるうえで非常に重要です。リザーブドライバーは実戦で能力を証明する機会が少ないからです。角田自身も復帰前に、走ることで自分の能力を示せる絶好の機会だという趣旨の発言をしています。[参照]
2027年のレギュラー復帰で角田が持つ強み
角田の大きな武器は、すでに100戦を大きく超えるF1出走経験を持つことです。若手ドライバーを起用する場合、チーム側はF1マシンへの適応やタイヤマネジメント、レース運びなどに一定の育成期間を覚悟する必要があります。一方、角田なら基本的なF1経験を改めて積ませる必要はありません。
また、2026年のオランダGPで急きょ実戦に戻れたこと自体、リザーブとして準備を続けていた価値を示しています。短い準備期間で現行世代のマシンへ適応し、レースをまとめられる経験値は、中団チームがドライバーを探す場合には評価材料となり得ます。
さらにF1公式サイトは、2026年開幕前の時点で、角田がレッドブル系以外のチームも含めて将来の選択肢を探す可能性に触れていました。したがって、2027年復帰を考える際は、レッドブルまたはレーシングブルズだけに限定して考えないことが重要です。[参照]
一方で2027年F1シート獲得が簡単ではない理由
角田に経験があるからといって、2027年のシートが保証されるわけではありません。最大の問題はF1のレギュラーシートそのものが極端に少ないことです。既存ドライバーとの契約に加え、各チームが育成している若手もシートを狙っています。
特にレッドブル系では、若手育成を積極的に行う伝統があります。角田は即戦力としての経験では優位に立てるものの、チームが将来性を優先して若手を選択すれば、レッドブル陣営内からの復帰ルートは狭くなります。
実際、F1公式サイトによるオランダGP後の分析でも、レッドブル陣営内部には若い候補が控えているため、角田にとって同陣営内での道は簡単ではないと指摘されています。一方で、その走りによって他チームへの可能性は以前より高まったとの見方も示されています。
角田の2027年はレッドブル以外への移籍もポイントになる
2027年の角田を考える場合、レッドブル復帰だけを成功と考える必要はありません。むしろ現実的には、他チームを含めて空席が生まれたときに候補へ入れるかどうかが重要になります。
F1のドライバー市場は、一人の移籍によって複数のシートが連鎖的に動くことがあります。上位チームが他チームのドライバーを獲得すれば、その空席を別のドライバーが埋め、さらに別のシートが空くという流れです。そのため現時点で空席が少なく見えても、シーズン中に状況が変わる可能性があります。
ただし角田にはF1以外の選択肢も浮上しています。2026年8月には、2027年のインディカー参戦についてMeyer Shank Racingと話し合っているとMotorsport.comが報じました。これはF1復帰を断念したという意味ではありませんが、角田の2027年がF1だけに限定されていないことを示す動きとして注目できます。[参照]
2027年シート獲得を左右しそうなポイント
今後を見る際には、単純にレース結果だけでなく、いくつかの要素を合わせて考える必要があります。
- 代役出場など追加の実戦機会を得られるか
- 実戦でチームメイトと比較して十分な速さを示せるか
- レッドブルおよびレーシングブルズの2027年ラインアップがどうなるか
- 他チームでシートの空きが発生するか
- 若手候補との比較で経験値が評価されるか
- インディカーなどF1以外の選択肢を選ぶか
特に実戦機会は重要です。テストやシミュレーターで高く評価されても、他チームが獲得を検討するときには直近のレースパフォーマンスが分かりやすい判断材料になります。その意味で、オランダGPで11位まで走ったことは小さくない実績です。
反対に、2026年の残り期間でほとんど実戦機会がなければ、若手ドライバーや現在レギュラー参戦しているドライバーと比較してアピールしにくくなります。したがって2027年の行方は、今後数カ月のドライバー市場と角田自身に巡ってくる機会の両方を見る必要があります。
まとめ:角田裕毅の2027年F1復帰は可能性あり、ただし競争は厳しい
2026年8月時点では、角田裕毅が2027年にF1のレギュラーシートへ復帰する可能性は残っています。100戦以上のF1経験、レッドブル陣営でリザーブを続けていること、そして急きょ出場した2026年オランダGPで11位に入ったことはプラス材料です。
一方、レッドブル系には若手候補が存在し、F1全体でも2027年の空席争いは激しくなります。そのため「レッドブルのシートに戻れるか」だけを見るより、他チームへの移籍を含めて考えたほうが現実的です。
現段階で最も適切なのは、復帰の可能性は十分残っているものの、レギュラーシート確保を予想できるほど確定的な状況ではないという評価でしょう。オランダGPで再び存在感を示したことでチャンスはつながりましたが、2027年のF1グリッドに名前を戻せるかは、今後の実戦機会とドライバー市場の動きが大きく左右することになります。

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