剣道で二刀を始めると、最初に悩みやすいのが大刀と小刀の選び方です。一般的な一刀の竹刀をそのまま二刀に使えばよいとは限らず、試合で使用する場合には二刀用竹刀の長さや重量などの規定を確認する必要があります。また、実際の使いやすさは長さだけでなく、柄の太さ、重心、胴張・古刀型など竹刀の設計によっても大きく変わります。
特に体育会のように稽古量が多い環境では、規定を満たすことに加えて、片手操作のしやすさや耐久性、予備竹刀の用意、持ち運びまで考えて選ぶことが重要です。ここでは二刀の大刀を中心に、竹刀選びとオーダー時の考え方、竹刀袋まで整理します。
二刀の大刀は一刀用の39竹刀とは規定が異なる
大学生・一般の試合で二刀を使用する場合、大刀について重要なのは通常の一刀用39竹刀とは別に、二刀として使用する竹刀の基準が定められていることです。そのため、単純に「39を片手で扱えないから37にする」という考え方だけで決めるのではなく、出場する大会で適用される最新の試合・審判規則や大会要項を確認する必要があります。
全日本剣道連盟の試合・審判規則では、竹刀について長さや重量などの基準があります。二刀の場合には大刀と小刀それぞれについて基準が設けられているため、公式戦を前提とするなら、購入前に所属大学の指導者や大会担当者、剣道具店にも確認しておくと安心です。
また、大会によって用具検査が行われます。竹刀の長さ・重量だけでなく、先革や中結、弦などの状態も含めて確認されるため、「使いやすいか」と「試合で使用できるか」は分けて考えましょう。
二刀の大刀は「短ければ扱いやすい」とは限らない
二刀では大刀を基本的に片手で操作するため、一刀の竹刀以上に重量バランスが重要になります。同じ長さ・重量でも、重心が剣先側にある竹刀と手元側にある竹刀では、振ったときの感覚がかなり異なります。
例えば胴張型は手元側に竹が張り出した設計が多く、仕様によっては重心を比較的手元に感じやすくなります。そのため、片手で大刀を操作するときに剣先の重さを負担に感じる人に合う場合があります。一方、先軽だから必ず二刀向きというわけではなく、打突時の感覚や剣先の安定性とのバランスが必要です。
37柄太胴張のような竹刀が操作しやすいのであれば、その感覚は次の竹刀を選ぶ際の有力な基準になります。長さの数字だけを見るのではなく、「片手で構え続けられるか」「振り上げから打突まで剣先を制御できるか」「打突後に竹刀が流れないか」まで確認するのがおすすめです。
二刀用の大刀を選ぶときに確認したいポイント
二刀の竹刀は使用者によって好みの差が大きいため、「二刀ならこの竹刀」という絶対的な正解はありません。特に大刀は、体格、握力、二刀の構え、右二刀・左二刀などによって適した仕様が変わります。
| 確認項目 | チェックしたいポイント |
|---|---|
| 長さ | 大会規定を満たし、片手で無理なく操作できるか |
| 重量 | 規定を満たしているか。必要以上に重くないか |
| 重心 | 剣先が重すぎず、片手で制御しやすいか |
| 柄 | 片手で握ったときに太さと形状が合うか |
| 竹の形状 | 胴張・古刀型など、自分の振り方との相性がよいか |
特に柄太を選ぶ場合、単純に太ければ握りやすいとは限りません。手の大きさに対して太すぎると握り込みが強くなったり、手首を使いにくくなったりすることがあります。現在使用している竹刀の柄周りを測っておくと、次回購入するときの基準になります。
オーダー竹刀は「現在の竹刀」を基準に相談すると失敗しにくい
市販品で理想的な大刀が見つからない場合には、竹刀を扱う専門店で相談する方法があります。二刀用として相談する際には、「二刀用を作りたい」だけでなく、現在使用している竹刀の情報と、どこを改善したいのかを具体的に伝えることが重要です。
例えば「現在は37の柄太胴張を使用していて、もう少し先を軽く感じたい」「重量は規定を満たしながら片手操作を楽にしたい」「柄の太さは現在と同程度にしたい」といった伝え方です。実物を店舗へ持参できれば、竹刀店側も比較しやすくなります。
なお、「オーダー」といっても、竹そのものを完全に一から製作する場合だけではありません。店舗にある竹刀の中から重量やバランスの合う個体を選んでもらい、柄革などの仕組みを調整するだけでも使用感が改善することがあります。最初から高価な特注品に限定せず、専門店で複数の選択肢を相談するとよいでしょう。
二刀では予備の大刀・小刀も準備しておきたい
公式戦では竹刀が破損した場合などに備えて替えの竹刀が必要になります。二刀の場合は大刀だけでなく小刀も使用するため、それぞれの予備について考えておく必要があります。
稽古用と試合用で極端にバランスの違う竹刀を使っていると、持ち替えたときに違和感が出やすくなります。そのため、可能であればメインと予備は長さ、柄の太さ、重心などが近いものを揃えると扱いやすくなります。
竹刀は天然素材なので、同一商品・同一サイズでも重量やバランスには個体差があります。店頭で購入できる場合は、実際に数本を持ち比べることにも意味があります。
二刀の竹刀袋は何本入るものを選べばよい?
二刀では大刀と小刀に加えて予備も必要になるため、一刀より収納本数が増えやすくなります。そのため、一般的な2本入れよりも3本入れや複数本収納タイプの竹刀袋のほうが使いやすいケースがあります。
例えば、大刀2本と小刀2本を持ち運ぶなら4本を収納できる余裕があると便利です。ただし、小刀は短いため、一般的な竹刀袋へ収納すると内部で動きやすいことがあります。鍔や鍔止めを別ポケットに収納できるタイプも便利です。
体育会で遠征が多い場合には、収納本数だけでなく肩掛けベルト、耐久性、ファスナーの開口範囲なども確認したいところです。木刀も同時に運ぶ機会があるなら、竹刀とは別に収納できるスペースがある製品も候補になります。
試合で使うなら大会規定と竹刀検査を最優先する
二刀用竹刀で最も注意したいのは、「稽古で使いやすい」という理由だけで仕様を決めないことです。大会へ出場するのであれば、適用される規則を確認し、その範囲内で自分に合った大刀・小刀を探す必要があります。
特に竹刀の規定は、年齢区分や使用方法によって確認すべき内容があります。また規則・運用が改定される可能性もあるため、インターネット上の古い情報だけを根拠に竹刀を購入するのは避けたほうが安全です。
最終的には所属する剣道部の師範・監督や大会担当者に確認し、最新の全日本剣道連盟の規則・大会要項を基準にしてください。公式情報については全日本剣道連盟公式サイト[参照]で確認できます。
まとめ:二刀の大刀は長さだけでなく「規定・重量・重心・握り」で選ぶ
二刀流剣道の大刀選びでは、37や39といった長さだけを比較するのではなく、まず試合規定を満たしていることを確認し、そのうえで重量、重心、柄の太さ、竹の形状を総合的に選ぶことが重要です。片手で扱う以上、一刀では気にならなかった数十グラムの差や重心位置の違いが操作感に影響することもあります。
現在37柄太胴張などを使用しているなら、その竹刀を基準として「どこが使いやすく、どこを改善したいか」を整理しておくと次の一本を選びやすくなります。専門店で相談する場合も、現在の竹刀を持参して比較してもらう方法が有効です。
竹刀袋については、大刀・小刀とそれぞれの予備を持ち運ぶことを想定して収納本数に余裕を持たせると実用的です。二刀は用具選びにも独自の要素があるため、規則を押さえたうえで、稽古を重ねながら自分の二刀に適した組み合わせを見つけていくのがよいでしょう。


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