船釣りの竿受けは「受太郎」で十分?チビラークとの違い・当て木の必要性・初めて使うときの注意点

釣り

初めての船釣りで「船にロッドスタンドがない」と分かった場合、竿受けを自分で用意しておくと、移動中や魚を取り込んだ後、仕掛けを作り直すときに非常に便利です。すでに第一精工の「受太郎」を持っているなら、新しく大型の竿受けを買うべきか迷うところでしょう。

結論から整理すると、小物~比較的ライトな船釣りで、釣っている最中は手持ち、移動時や仕掛け交換時だけ竿を置くという用途なら、受太郎を使えるケースは十分あります。受太郎自体がメーカー流通情報でも「船の小物釣り、ボート釣りに最適の竿受」とされており、小型両軸リールやスピニングリールにも対応しています。[参照:釣具のポイント・第一精工 受太郎]

ただし最も重要なのは、受太郎とチビラークの強度差よりも、乗る船の船べりに確実に取り付けられるかです。船べりの厚さや形状によっては受太郎が取り付けられなかったり、当て木が必要になったりします。初釣行なら、購入前に船宿へ「第一精工の受太郎を持っていますが取り付け可能ですか」と確認するのが最も確実です。

受太郎は船釣りで使える竿受け

第一精工の「受太郎」は、そもそも船やボートでの小物釣りを想定した製品です。取付有効幅は15~85mmで、船べりをクランプで挟んで固定します。竿の角度を変えられ、縦・横方向の取り付けにも対応しています。[参照:ナチュラム・第一精工 受太郎]

そのため、「受太郎は岸釣り用だから船では使えない」というものではありません。むしろメーカーの商品説明では船の小物釣り・ボート釣り向けとして販売されています。

重量も約295gと軽く、収納時は110×150×45mm程度なので、初めての船釣りへ予備の竿置きとして持っていくにも負担が少ない製品です。

移動中や魚を取り込んだ後だけなら受太郎でも使いやすい

竿受けを選ぶうえで重要なのが「どのように使うのか」です。常時置き竿にして魚のアタリを待つのか、それとも単にロッドスタンド代わりに使うのかでは必要な強度が変わります。

移動中、餌を付けるとき、仕掛けを交換するとき、魚を取り込んだ直後などに一時的にロッドを置くだけなら、竿受けに大きな負荷がかかりにくいため、受太郎の用途と比較的合っています。

一方、重いオモリをぶら下げた状態で置き竿にしたり、大型魚のアタリを竿受けに任せたりする場合は話が変わります。そのような用途では、より保持力のあるラークシリーズなどを検討する意味が大きくなります。

受太郎とチビラークの違い

受太郎とチビラークは、どちらも船で使える竿受けですが、想定する負荷や固定構造が異なります。

比較項目 受太郎 チビラーク
主な用途 船・ボートの小物釣り 船の小物~中物釣り
取付有効幅 15~85mm 10~90mm
重量 約295g 約600g
固定力 軽~中負荷向き 受太郎より強固
適合ハリスの目安 明確な記載なし 約7号まで
おすすめ用途 一時的な竿置き・ライトな釣り 置き竿も含めた船釣り

チビラークは第一精工のラークシリーズの中でもコンパクトなモデルで、対象魚や釣り方に合わせて2種類の竿受け部を交換でき、適合ハリスは約7号までとされています。[参照:釣具のポイント・第一精工 チビラーク]

したがって「強度だけ」で比較すればチビラークが有利です。しかし一時的な竿置きだけなら、その強度を必要としない可能性があります。

受太郎を買い替える必要があるかは釣り物で決まる

例えばアジ、キス、カワハギ、小型の根魚などを狙い、釣っている間はずっと手持ちというスタイルなら、まず現在持っている受太郎を試すという判断は合理的です。

反対に、コマセ釣りなどで置き竿時間が長い、大型魚が掛かる可能性が高い、重量のある電動リールを載せる、重いオモリを使うといった条件なら、チビラークなど強度の高い竿受けの方が安心しやすくなります。

つまり「船釣りならチビラークが必須」というわけではなく、竿受けへどれだけ荷重を任せるかで判断するのが適切です。

最重要なのは船べりの厚さ

受太郎の取付有効幅は15~85mmです。この範囲に船べりが収まらなければ、基本的にはそのまま固定できません。

例えば船べりが50mm程度なら対応範囲内ですが、100mm以上ある厚い船べりでは通常の受太郎では届きません。その場合は有効取付幅15~130mmの「受太郎130」など、ワイドタイプが候補になります。[参照:第一精工 受太郎130]

チビラークも標準モデルは10~90mmなので、船べりが非常に厚い船なら標準チビラークへ買い替えても解決しない可能性があります。

船べりは厚さだけでなく「形」も重要

実際には厚さだけ測ればよいわけではありません。船べりの断面形状や取り付け面の状態も固定力に影響します。

上側が丸くなっている、クッション材が付いている、内側へ大きく張り出している、手すりや配管が邪魔になるといった船では、取付幅の数値上は対応していても竿受けを安定して挟めない場合があります。

特に乗合船では座席ごとに船べりの構造が少し異なることもあります。初めて利用する船なら、予約時に船宿へ確認しておくと安心です。

当て木は必ず必要というわけではない

当て木については、受太郎が船べりへ安定して固定できるなら、必ず使用しなければならないものではありません。

当て木を使う主な目的は、船べりの厚さを補うこと、固定しやすい平面を作ること、竿受けの高さを上げること、船べりへの傷や局所的な圧力を軽減することなどです。

例えばクランプをいっぱいまで締めてもまだ隙間が残るような薄い船べりでは、間に当て木を入れて有効な厚さを増やす方法があります。また形状が悪くクランプが安定しない場合にも役立つことがあります。

ラークシリーズでも添木を使うモデルがある

第一精工の製品でも、取付幅の広いチビラークロングなどには「添木」が付属するモデルがあります。チビラークロングでは添木を船べり上側へセットすることで、ロッドやリールを扱いやすい高さへ調整できるとされています。[参照:第一精工 チビラークロング]

またラークシリーズの一部では、取付有効幅より薄い船べりでは添木を使用するよう商品説明に記載されています。

このことからも、当て木自体は特殊な裏技ではなく、船べりの条件に合わせて竿受けを適切に固定するための補助方法と考えられます。

当て木を自作するならホームセンターでも材料は調達できる

専用品が必要でなければ、ホームセンターで木材を購入して当て木を作ることは可能です。

ただし重要なのは「適当な板を挟めばよい」ということではありません。クランプが十分に接触できる面積があり、締め込んでも簡単に割れたり潰れたりしない材を選びます。また船上で外れて落下しない形にしておく必要があります。

船べりを傷つけたくない場合は、木材と船体の接触面へ薄いゴムシートなどを組み合わせる方法もあります。ただしゴムが柔らかすぎると揺れによって竿受けが動くことがあるため、固定後にぐらつきがないか必ず確認します。

ホームセンターで当て木を作る場合の考え方

当て木を自作するなら、竿受けのクランプ面より少し大きい板を用意すると扱いやすくなります。厚みは船べりと竿受けの取付可能幅から逆算します。

例えば受太郎の最小取付幅が15mmで、取り付けたい部分が極端に薄い場合は、クランプが確実に締まる厚さまで木材で補います。

ただし実際の船を見ない状態で最適な寸法を決めるのは難しいため、可能なら船宿へ船べりのおおよその厚さ・形状を尋ねてから準備する方が失敗しません。

当て木を使うなら強く締めすぎない

竿受けを固定するときは「絶対に動かないように」と力いっぱい締め込みたくなりますが、必要以上の締め付けは避けましょう。

クランプや船べり、木材へ過剰な力がかかると、部品の破損や船体への傷につながる可能性があります。まず適切な面で挟み、必要な固定力が得られるところまで締めます。

設置後に竿を載せて軽く前後左右へ動かし、クランプ本体がずれないことを確認してから使用します。

移動中に竿を掛ける場合は脱落対策が重要

特に注意したいのが船の移動中です。走行中は揺れや風が強く、静止中とは竿受けにかかる力が大きく異なります。

受太郎へ竿を置く場合でも、竿尻が確実に受け部へ収まっていることを確認し、可能であればロッド用の尻手ロープや脱落防止コードを使うと安心です。

高速移動時については、船長から「竿を寝かせてください」「竿受けから外してください」と指示される船もあります。船長の指示を最優先してください。

スーパー受太郎という選択肢もある

受太郎を使いたいものの竿の脱落が気になる場合は、「スーパー受太郎」というモデルもあります。

スーパー受太郎は受太郎の基本構造をベースに、ラインフックと竿の脱落防止レバーを追加し、竿受け部分も大型化したモデルです。取付有効幅は受太郎と同じ15~85mmです。[参照:第一精工 スーパー受太郎]

チビラークほど本格的な竿受けは必要ないものの、通常の受太郎より保持性を重視したい場合には中間的な候補になります。

チビラークを買うメリット

チビラークへ買い替える最大のメリットは、よりしっかり竿を保持でき、置き竿を含めた用途へ対応しやすいことです。

取付有効幅は10~90mm、重量約600g、適合ハリスは約7号までとされており、受太郎より本体が大きく、船べりへ固定した際の安心感があります。[参照:第一精工 チビラーク]

今後も船釣りへ頻繁に行き、置き竿をする釣り物へ挑戦する予定なら、長期的にはチビラークを買っても無駄になりにくいでしょう。

ただしチビラークを買っても船に付かないことはある

ここは初めて購入するときに見落としやすい点です。チビラークの標準モデルは取付幅10~90mmなので、非常に厚い船べりには対応しません。

より幅広い船べりには「チビラークロング」などがあり、ロングモデルでは取付有効幅90~160mmとされています。[参照:第一精工 チビラークロング仕様]

つまり先に製品を買うのではなく、乗船する船の取付条件を確認してからモデルを選ぶことが重要です。

初めての船釣りなら船宿への確認が最優先

船釣りでは船によって竿受け事情がかなり違います。船べりへ直接クランプできる船もあれば、専用穴がある船、取り付けできる場所が限定されている船もあります。

また船体保護のため、竿受けの取り付け方について船宿独自のルールを設けていることもあります。

予約している船宿へ「第一精工の受太郎を持っています。竿置きとして使いたいのですが、船べりに取り付けられますか。添木は必要ですか」と聞けば、その船に最も合った答えを得られます。

初釣行前に確認しておきたい項目

確認項目 理由
船べりの厚さ 受太郎の15~85mmに収まるか確認
船べりの形状 クランプを平らに当てられるか確認
竿受けの持ち込み可否 船宿独自ルールがある場合がある
当て木の必要性 船体・取付方法によって異なる
釣り物・オモリの号数 竿受けに必要な強度判断
移動時のロッド保管方法 船長から指示される場合がある

この6点が分かれば、受太郎をそのまま使えるのか、チビラークなどへ変更すべきなのかをかなり判断しやすくなります。

実際に受太郎を持っていくなら事前に取り付け練習を

初めて船上で竿受けを組み立てようとすると、出船前の慌ただしい時間に手間取ることがあります。

自宅で一度、クランプの開閉方法、竿受け部分の角度変更、ロッドの置き方などを確認しておきましょう。特に竿をどの方向から入れればスムーズに置けるかを覚えておくと船上で楽になります。

また使用後は海水が付着するため、帰宅後に真水で塩分を流し、十分に乾燥させると長持ちしやすくなります。

魚を取り込むときの竿置きとしてはかなり便利

手持ち釣りでも、魚が上がった後は両手を使いたくなる場面が多くあります。

魚から針を外す、仕掛けを確認する、餌を付ける、オモリを交換するなどの作業時にロッドを床へ直接置くと、踏んだりリールへ海水がかかったりする可能性があります。

こうした一時的な竿置きとして固定式の受太郎があると非常に便利です。今回のような用途なら、受太郎のメリットを活かしやすい使い方といえます。

まとめ|一時的な竿置きなら受太郎を試す価値あり、購入前に船べりを確認

第一精工の受太郎は、もともと船の小物釣り・ボート釣り用として販売されている竿受けです。取付有効幅は15~85mmで、小型両軸リールやチョイ投げ用スピニングリールにも対応しています。[参照:第一精工 受太郎]

釣り最中は手持ちで、移動時・魚を外すとき・仕掛け交換時などに一時的にロッドを置くだけなら、現在所有している受太郎をまず使うという選択で問題ないケースは多いでしょう。

チビラークは約600gで適合ハリス約7号までとされ、受太郎より強固な竿受けなので、今後置き竿をする釣りや中物クラスまで狙うなら購入する価値があります。ただし標準チビラークの取付有効幅も10~90mmなので、「チビラークならどんな船にも付く」というわけではありません。[参照:第一精工 チビラーク]

当て木については必須ではありません。受太郎を船べりへまっすぐ安定して固定できるなら、そのまま使用できます。一方、船べりが薄い、クランプ面が安定しない、高さを調整したいといった場合には当て木が役立ちます。自作するならホームセンターの木材でも対応できますが、外れないこと、船体を傷つけないこと、クランプが確実に固定されることを優先してください。

そして初めて乗る船では、船宿へ事前に「受太郎は取り付け可能か」「船べりの厚さはどのくらいか」「当て木は必要か」を確認するのが最も確実です。受太郎が問題なく取り付けられる船なら、今回の用途だけのために急いでチビラークへ買い替える必要性は高くありません。

当日は固定後にぐらつきがないことを確認し、移動中は船長の指示に従ってください。可能なら尻手ロープなどの脱落防止も用意しておくと、初めての船釣りでも安心してロッドを扱いやすくなります。

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