フィギュアスケートの三浦璃来・木原龍一組、通称「りくりゅう」は、2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪のペアで日本勢初となる金メダルを獲得し、その後に競技引退を発表しました。2人は今後について、プロスケーターとして活動しながらペア競技を日本へ広め、将来的には指導者を目指す意向も明らかにしています。[参照:日本オリンピック委員会]
さらに2026年7月にはYouTubeチャンネルも開設し、競技者から発信者・プロスケーターへ活動領域を広げ始めました。一方で、スポーツ選手がYouTubeを始めれば自動的に大きな収益になるわけではありません。五輪金メダリストという非常に強いブランドを持つからこそ、YouTube広告だけに依存せず、アイスショー、スポンサー、イベント、指導、映像コンテンツを組み合わせる方が収益モデルとして強いと考えられます。
実際にりくりゅうは、すでに自らプロデュースするアイスショー「THE DESTINY」を開催しています。つまり今後を考える際には「YouTuberとして稼げるか」ではなく、「五輪金メダリストであり、日本ペア競技の象徴でもある2人の価値をどの事業へ展開できるか」という視点が重要です。[参照:THE DESTINY公式]
- りくりゅうはすでに「競技後の収益源」を作り始めている
- 最も強い収益源はアイスショーになりやすい
- 自分たちのアイスショーブランドを育てる価値は大きい
- YouTubeは「広告収入」より集客装置として使う方が強い
- YouTubeが「つまらない」と感じられる理由は改善できる
- りくりゅうYouTubeで見てみたい企画
- ショート動画は新しいファン獲得と相性がいい
- スポンサー・CM収入は五輪金メダリストの大きな武器
- 「2人セット」と「個人活動」を分けると仕事が増える
- テレビ解説・大会ゲストも現実的な収益源
- 将来的にはコーチ業が大きな柱になり得る
- 「りくりゅうペアアカデミー」を作る選択肢
- 海外向けビジネスも狙える
- グッズ販売は「普通の選手グッズ」から一段進めたい
- オンラインサロンや有料会員は慎重に設計した方がいい
- 収益源を比較するとどうなる?
- もし事業戦略を組むなら3段階に分ける
- 一番大切なのは「日本初の五輪金ペア」という資産を薄めないこと
- まとめ|りくりゅうはYouTube一本ではなく「IP化」するのが強い
りくりゅうはすでに「競技後の収益源」を作り始めている
2026年4月に現役引退を発表した際、三浦璃来と木原龍一は今後について、プロスケーターとしての活動や後進育成へ意欲を示しています。日本オリンピック委員会も、2人がペア競技の魅力を広げながら新しい活動へ挑戦すると伝えています。[参照:JOC]
そして同年7月31日から8月2日には、東京辰巳アイスアリーナで2人がプロデュースする「THE DESTINY」を開催しました。ペアとアイスダンスというカップル競技に焦点を当て、海外のトップスケーターも出演するショーです。[参照:木下グループ]
これは単純なゲスト出演とは意味が違います。自分たちが出演料を受け取るだけでなく、企画そのもののブランド価値を作る側へ進んでいるからです。競技引退後のアスリートとしては非常に重要な方向性です。
最も強い収益源はアイスショーになりやすい
りくりゅうほどの実績がある場合、最も相性が良いビジネスの一つがアイスショーです。五輪金メダリストの演技を生で見たいという需要があり、さらにペア演技はテレビ映像と実際のリンクで見る迫力の差が大きいからです。
例えば「THE DESTINY」では4公演が設定され、テレビでの生放送や後日のBS放送、公式グッズの販売まで展開されました。[参照:THE DESTINY公式]
こうしたイベントでは、チケットだけでなく放映権・配信、スポンサー、グッズ、関連イベントなど複数の収益源を作れます。一つの演技を「公演+映像+物販+スポンサー」に展開できる点が、単純なYouTube広告収益より大きな強みです。
自分たちのアイスショーブランドを育てる価値は大きい
今後も「THE DESTINY」のような自主プロデュース公演を継続できれば、りくりゅう自身が一つの興行ブランドになれます。
例えば毎年夏に開催し、「世界トップクラスのペア・アイスダンスが集まる日本唯一級のショー」という立ち位置を確立できれば、りくりゅう本人が常にフル演技をしなくなった後もイベント自体を続けられます。
これは長期的に重要です。プロスケーターとして自分たちが滑れる期間には限界がありますが、プロデューサーとしての仕事は年齢を重ねても続けられるからです。
YouTubeは「広告収入」より集客装置として使う方が強い
りくりゅうは2026年7月25日にYouTubeチャンネルを開設しました。報道では、2人が競技生活への感謝を伝えながら、新しい活動としてYouTubeを始めたことが紹介されています。[参照:J-CASTニュース]
しかしスポーツ選手の公式YouTubeで重要なのは、必ずしも動画そのものの広告収益ではありません。アイスショーを見に来てもらう、イベントを知ってもらう、スポンサー商品の価値を伝える、グッズを販売する、といった他事業への入口として利用できます。
例えば動画1本の広告収益が大きくなくても、その動画を見た人の一部が1万円以上のアイスショーチケットを購入すれば、事業全体では大きな価値があります。YouTube単体の再生数だけで成功・失敗を判断しない方がよいでしょう。
YouTubeが「つまらない」と感じられる理由は改善できる
選手本人が出演する公式YouTubeでは、「近況報告」「質問回答」「雑談」のような動画が中心になりやすい傾向があります。ファンにとっては嬉しい一方、もともとフィギュアスケートへ強い関心がない人まで引き込むには、企画として弱く感じられることがあります。
りくりゅうの場合、2人の最大の強みはトーク能力そのものではなく、世界最高峰まで到達したペアスケートの経験です。そのためYouTubeでも、単なる日常Vlogより「この2人だから見られる映像」を増やした方が差別化できます。
例えば五輪演技を本人たちが解説する企画なら、「このリフトで実は何が起きていたのか」「SP5位からフリーへどう気持ちを切り替えたのか」といった、一般的なYouTuberには作れない内容になります。
りくりゅうYouTubeで見てみたい企画
競技経験を活用するなら、専門性とエンタメ性を組み合わせた企画が向いています。
| 企画 | 強み |
|---|---|
| 五輪演技の本人解説 | 世界トップ本人しか話せない |
| ペア技の難易度ランキング | 初心者にも分かりやすい |
| 海外トップペアとの対談 | 国際的人脈を活用できる |
| リフト練習の舞台裏 | ペア競技特有の迫力がある |
| 初心者にペアスケートを教える | バラエティ性が高い |
| 過去演技を見ながら反省会 | 競技ファンに刺さりやすい |
| アイスショー制作密着 | THE DESTINYへの集客にもなる |
| 海外スケーターの日本観光 | 一般層にも広げやすい |
特に海外選手とのつながりは、りくりゅうの非常に大きな資産です。カナダを拠点に活動して世界大会を回ってきたため、国内タレントには作りにくい国際的なコンテンツを作れます。
ショート動画は新しいファン獲得と相性がいい
長尺のトーク動画を見るのは既存ファンが中心になりやすいため、新しい視聴者を獲得するならYouTube Shorts、Instagram Reels、TikTokのような短尺動画も有効です。
例えば「ペアスケートで一番怖い技」「男性側が持ち上げるとき実際に何kgの力がかかる?」「このリフト、失敗するとどうなる?」など、一つの疑問を30~60秒程度で説明できます。
入口を短尺動画にして、興味を持った人を長尺動画やアイスショーへ誘導する構造を作れば、YouTubeをより実用的なマーケティング媒体として使えます。
スポンサー・CM収入は五輪金メダリストの大きな武器
五輪金メダルという肩書きは競技結果だけで終わるものではありません。企業から見れば、「世界一」「努力」「信頼」「パートナーシップ」といったイメージを持つ広告キャラクターとして価値があります。
特にりくりゅうの場合、一人の選手ではなく男女ペアなので、食品、旅行、航空、金融、保険、スポーツ用品、化粧品など幅広い企業広告と組み合わせられます。
さらに2人の関係性そのものにファンが付いているため、単発CMだけでなくブランドアンバサダーとして長期契約できれば安定した収益源になります。
「2人セット」と「個人活動」を分けると仕事が増える
りくりゅうブランドを維持することは重要ですが、すべての仕事を2人セットにする必要はありません。
例えば木原龍一は技術解説やコーチング、スポーツ番組の解説など、長い競技経験を生かした仕事と相性があります。三浦璃来はイベント、ファッション、美容、若年層向け発信など別の領域へ展開できる可能性があります。
2人でしか成立しない仕事と、個人で受けられる仕事を分ければスケジュール上の制約も減り、収益源を増やせます。
テレビ解説・大会ゲストも現実的な収益源
木原は長年にわたって日本ペア界の第一線で競技してきたため、国際大会のペア競技を解説する仕事との相性が非常に良いでしょう。
日本ではシングル競技に比べてペア競技を専門的に説明できる著名な元選手が限られています。そのため技術、採点、リフトやツイストの難しさを初心者にも分かるように伝えられれば、独自のポジションを作れます。
大会中継だけでなく、YouTubeや配信サービスでの副音声解説、競技前の見どころ番組などにも展開できます。
将来的にはコーチ業が大きな柱になり得る
引退発表時、2人は将来的に一緒に指導者になることにも意欲を示しています。[参照:JOC]
これは収益面だけでなく、日本のペア競技そのものにとって重要です。三浦・木原組は世界選手権優勝、グランプリファイナル優勝、五輪金メダルまで経験しています。そのノウハウを日本国内で直接学べる環境には大きな価値があります。
将来的には少人数レッスン、強化合宿、ペア専門アカデミーなどへ発展させることも可能でしょう。
「りくりゅうペアアカデミー」を作る選択肢
より長期的に考えるなら、自分たちの名前を冠したペア・アイスダンス育成プログラムを作る方法があります。
日本でペア競技が広がりにくい理由の一つには、シングルに比べて指導環境やパートナー探しの選択肢が限られることがあります。りくりゅう自身が選手発掘からペア結成、海外コーチとの連携まで支援できれば、大きな社会的価値があります。
受講料だけでなく、企業スポンサーや自治体、競技団体との連携も考えられるため、単なる個人レッスンより大きなプロジェクトにできます。
海外向けビジネスも狙える
りくりゅうはカナダを拠点として長く世界大会を回っており、日本国内だけを対象にする必要はありません。
英語字幕付きYouTube、海外向けオンラインイベント、海外アイスショー出演、国際キャンプ開催などへ展開すれば、日本人五輪王者というブランドを世界市場で活用できます。
特にペア競技は日本より北米・欧州のファン層が厚いため、海外向けコンテンツは国内だけを狙うより潜在市場が大きい可能性があります。
グッズ販売は「普通の選手グッズ」から一段進めたい
「THE DESTINY」でもTシャツやアクリルスタンドなどの公式グッズ販売が行われました。公演終了後には一部商品の事後通販も実施されています。[参照:THE DESTINY公式]
今後は写真や名前を載せた定番商品だけでなく、練習用品、スケートバッグ、手袋、ウォームアップウェアなど、実際に本人たちが監修した商品へ広げる方法があります。
五輪金メダリスト監修という付加価値があるため、競技者向けの商品開発が成功すれば、現役選手として滑らなくなった後もブランド収入を残せます。
オンラインサロンや有料会員は慎重に設計した方がいい
人気アスリートの収益化では月額会員制サービスも選択肢ですが、単に「限定動画が見られる」だけでは継続率を維持するのが難しい場合があります。
りくりゅうなら、アイスショー先行販売、公開練習見学、月1回ライブ配信、演技解説、限定イベントなど、実際の体験とセットにする方が価値を作りやすいでしょう。
つまりファンへ「動画を見る権利」を売るより、「りくりゅうの活動へ深く参加できる権利」を提供するイメージです。
収益源を比較するとどうなる?
| 収益源 | 短期的な強さ | 長期性 | りくりゅうとの相性 |
|---|---|---|---|
| アイスショー出演 | 高い | 中 | 非常に高い |
| 自主プロデュース公演 | 高い | 高い | 非常に高い |
| スポンサー・CM | 高い | 高い | 非常に高い |
| YouTube広告 | 低~中 | 中 | 補助的 |
| YouTubeからの集客 | 中 | 高い | 高い |
| テレビ・解説 | 中 | 高い | 高い |
| コーチ・アカデミー | 中 | 非常に高い | 非常に高い |
| グッズ・ブランド | 中 | 高い | 高い |
この比較からも、YouTubeそのものを主収入にする必要はありません。むしろYouTubeを無料メディアとして使い、より単価の高い事業へファンをつなぐ方が合理的です。
もし事業戦略を組むなら3段階に分ける
競技引退直後は注目度が最も高い時期なので、まずアイスショー、テレビ、CM、イベント出演を積極的に行います。その一方でYouTubeやSNSによってファンとの接点を維持します。
次の段階では「THE DESTINY」のような自主企画を定例化し、自分たちが出演するだけでなくプロデュースする割合を増やします。さらにスポンサーやグッズを組み合わせて、りくりゅうブランドそのものを事業化します。
そして長期的にはアカデミーやコーチング、若手選手育成へ比重を移します。20代・30代は演者、30代以降は演者+プロデューサー、その後は指導者・事業運営という形なら、競技引退後も長く活動を続けられます。
一番大切なのは「日本初の五輪金ペア」という資産を薄めないこと
りくりゅう最大のブランド価値は、単に人気のあるフィギュアスケーターということではありません。日本のフィギュアスケート史上、ペアで初めて五輪金メダルを獲得した存在です。2026年2月のミラノ・コルティナ五輪ではSP5位からフリーで逆転し、金メダルを獲得しました。[参照:JOC]
この歴史的価値は何十年後にも残ります。そのため短期的に再生数を狙うためだけの企画を大量に作るより、ペア競技の魅力や2人の経験が伝わるコンテンツを蓄積した方がブランドを長く保てます。
YouTubeも「毎週何か投稿しなければならない」と考えるより、月数本でも質の高い企画を作り、ショーやイベントと連動させる方がりくりゅうには合っているでしょう。
まとめ|りくりゅうはYouTube一本ではなく「IP化」するのが強い
三浦璃来・木原龍一組は2026年4月に競技引退を発表しましたが、すでにプロスケーター、アイスショープロデューサー、YouTube発信など新しい活動を始めています。将来的には指導者を目指す意向も公表しています。[参照:JOC]
今後の収益を考えるなら、YouTube広告を中心にするより、アイスショー・スポンサー・テレビ・グッズ・指導事業を組み合わせ、その集客媒体としてYouTubeを使う方が強いでしょう。
特に「THE DESTINY」を自らプロデュースしたことは重要です。出演するだけのスケーターから、コンテンツを作り、出演者を集め、ファンへ届ける側へ進んでいるからです。公演はテレビ放送や公式グッズ販売にも展開されており、一つのイベントを複数のビジネスへ広げられる可能性を示しています。[参照:THE DESTINY公式]
YouTubeについては、雑談や一般的な質問回答だけでは既存ファン以外へ広がりにくい可能性があります。改善するなら、五輪演技の本人解説、ペア技の舞台裏、海外トップ選手とのコラボ、アイスショー制作密着など、「世界一になった2人しか作れない動画」を中心にすると明確な差別化になります。
そして最終的には、りくりゅう自身が滑り続けなくても成立するペア専門アイスショー、育成アカデミー、コーチング事業を残せれば理想的です。競技者として獲得した知名度を一時的な人気で終わらせず、「りくりゅう」という名前を日本のペアスケートそのものを象徴するブランドへ育てることが、長期的には最も大きな収益と競技への貢献を両立できる方法と考えられます。


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