プロレスでは、選手がギターを凶器として使い、相手へ叩きつけた瞬間にボディ部分が派手に粉々になる場面があります。海外プロレスを中心に昔から見られる演出で、「普通のギターも一発であれほど簡単に壊れるのか」と疑問に感じる人もいるでしょう。
結論からいうと、一般的なアコースティックギターのボディは薄い木材で作られているため強い衝撃を受ければ壊れますが、普通に使っているギターが触れただけで簡単に粉々になるわけではありません。一方、プロレスで使用される小道具は、安全性や見栄えを考えて通常の楽器とは異なる仕様になっていたり、壊れやすく準備されていたりする場合があります。
また、プロレスの映像を見て「ギターなら人を叩いても安全」と考えるのは危険です。通常のギターには硬い木材、金属弦、金属パーツなどが使われており、人へ強く当てれば重大なけがにつながる可能性があります。この記事では、ギターの構造とプロレスで派手に壊れる理由を分けて解説します。
- アコースティックギターのボディは意外と薄い
- だからといって普通のギターが簡単に粉々になるわけではない
- プロレスでは壊れること自体が演出になる
- プロレス用のギターが「壊れやすく作られている」場合もある
- 「ギミック」と呼ばれる考え方
- エレキギターなら事情はかなり違う
- ギターのどこが壊れやすい?
- ギターが壊れることで衝撃がなくなるわけではない
- 粉々になる瞬間が実際より強烈に見える理由
- 昔のプロレスでギター攻撃が有名だった選手
- ギター以外にもプロレスでは壊れる小道具が使われる
- 本物の高級ギターを毎回壊しているとは考えにくい
- 古いギターなら壊れやすくなることもある
- 自宅のギターで試すのは危険
- 「壊れやすい物=当たっても痛くない」ではない
- プロレスラー側にも受ける技術と打ち合わせがある
- プロレス映像を見るときは「実用品」と「演出用品」を分ける
- 一般的なギターとプロレス演出用を整理すると
- まとめ|ギターのボディは強い衝撃で割れるが、プロレスのように安全に粉々になるとは限らない
アコースティックギターのボディは意外と薄い
プロレスで壊される場面が多いのは、一般に空洞のあるアコースティックギターに近い形状のものです。アコースティックギターは音を響かせる必要があるため、ボディを分厚い木材の塊として作ることはできません。
表板、裏板、側板には比較的薄い木材が使用され、その内部にブレーシングと呼ばれる補強材が配置されています。この構造によって通常の演奏には十分な強度を持たせながら、弦の振動を効率良く響かせています。
つまり家具の分厚い木板や野球のバットとは構造がまったく違います。大きな面へ強い衝撃が加わると、表板や側板が割れる可能性は十分あります。
だからといって普通のギターが簡単に粉々になるわけではない
アコースティックギターが薄い木材でできているからといって、日常的なちょっとした衝撃でバラバラになるわけではありません。楽器として持ち運びや演奏に耐えるよう、内部には補強があります。
例えばギターを軽く壁へぶつけた程度なら、小さな傷やへこみで済む場合もあります。一方、硬い物体へ勢いよく叩きつければ、表板が割れたり、側板が裂けたり、ネックとボディの接合部分が破損したりする可能性があります。
したがって「ギターは弱い」というより、通常使用には十分な強度があるものの、大きな衝撃を受ける用途には設計されていないと考える方が正確です。
プロレスでは壊れること自体が演出になる
プロレスでギターを使う場合、目的は楽器を演奏することではなく、観客へ大きなインパクトを与えることです。ギターが大きな音を立てて派手に破壊されれば、技や攻撃が非常に強力だったように見えます。
逆に、頑丈なギターを使用して一切壊れなければ、衝撃がそのまま選手側へ伝わりやすくなります。見た目も「ギターが粉々になった」場合ほど派手にはなりません。
このためプロレスなどのショーでは、破壊される小道具について見栄えと安全性の両方を考慮した準備が行われることがあります。
プロレス用のギターが「壊れやすく作られている」場合もある
プロレスや映画、舞台で破壊される物については、実用品をそのまま使用するとは限りません。撮影・演出用に用意された小道具や、比較的壊れやすい構造の製品が使用されることがあります。
プロレスのギターについても、使用する団体や時代、試合によって事情は異なるため、すべてが同じ仕組みとは断定できません。ただし一般論として、壊れることを前提とした場面では、通常の高価な楽器より破壊演出に適したものを使用する方が合理的です。
そのため映像で一発できれいに粉々になったからといって、「楽器店で売られているギターなら全部同じようになる」と考える必要はありません。
「ギミック」と呼ばれる考え方
プロレスでは演出のために使用する仕掛けや小道具について「ギミック」という言葉が使われることがあります。破壊演出用の道具も、この考え方で理解すると分かりやすいでしょう。
映画で割れる瓶や窓ガラスが、本物と同じ危険性のある素材とは限らないのと似ています。観客には本物らしく見えながら、予定された場面で破壊されやすくすることには、安全上の意味があります。
ただしプロレスで過去に使用された個々のギターについて、どの程度加工されていたかは公表されていないケースも多いため、「必ず事前に切れ目を入れている」などと一律に断定することはできません。
エレキギターなら事情はかなり違う
ギターといっても、アコースティックギターとソリッドボディのエレキギターでは構造が大きく違います。
一般的なソリッドボディのエレキギターは、名前の通りボディ内部が大きな空洞ではなく、比較的厚い木材で構成されています。そのためアコースティックギターのようにボディ面が派手に陥没し、一瞬で粉々になるとは限りません。
実際にプロレスの破壊演出でアコースティック型のギターが映像的に使いやすい理由の一つとして、大きな空洞を持つボディが破壊された際に派手な見た目になりやすいことが挙げられます。
ギターのどこが壊れやすい?
一般的なアコースティックギターは部位によって強度が違います。大まかに整理すると次のようになります。
| 部位 | 構造 | 強い衝撃を受けた場合 |
|---|---|---|
| 表板 | 比較的薄い木板 | 割れ・陥没が起こり得る |
| 側板 | 薄い木材を曲げて形成 | 亀裂や割れが起こり得る |
| 裏板 | 薄い木板+内部補強 | 大きな衝撃で割れる可能性 |
| ネック | 比較的厚く硬い木材 | ボディより頑丈だが接合部が破損する場合もある |
| 弦・金属部品 | 金属製 | 破損時にも残り、危険になり得る |
プロレス映像で特に派手に割れているのは、広く薄いボディ部分であることが多いのも構造上不思議ではありません。
ギターが壊れることで衝撃がなくなるわけではない
物体が破壊される際には、衝撃エネルギーの一部が材料の変形や破壊へ使われます。その意味では、まったく壊れない硬い物体をぶつける場合とは衝撃の伝わり方が異なります。
しかし、「ギターが壊れたから相手には力が伝わっていない」ということにはなりません。ギターが割れ始めるまでには力が必要であり、破壊後の木片や部品も動き続けます。
そのためプロレスラーが受ける場合にも危険性はあり、一般人が映像だけを見て再現できるものではありません。
粉々になる瞬間が実際より強烈に見える理由
人は「物が壊れる」という視覚情報から衝撃の大きさを推測します。パンチだけなら力の強さを映像から正確に判断するのは難しいですが、大きなギターが突然バラバラになれば非常に強烈な攻撃に見えます。
さらにアコースティックギターは内部が空洞なので、破壊時に大きな音が発生しやすく、その音も演出効果を高めます。
つまりギターは、大きさ、音、壊れ方という三つの要素でプロレス的なインパクトを作りやすい小道具といえます。
昔のプロレスでギター攻撃が有名だった選手
海外プロレスでは、ギターをキャラクターや必殺の凶器として使ったレスラーが複数います。特にWWEなどで活躍したジェフ・ジャレットはギター攻撃で非常に有名です。
ジェフ・ジャレットはカントリーミュージシャンを意識したキャラクターとギターを組み合わせ、試合中に相手へギターを叩きつけて破壊する演出を長年使用しました。そのため昔の海外プロレス映像で「相手にギターを叩きつけて粉々になった」という記憶なら、こうした場面を見ていた可能性もあります。
ただし質問にある団体やレスラーが特定されていないため、具体的にどの試合だったかは映像などがなければ断定できません。
ギター以外にもプロレスでは壊れる小道具が使われる
プロレスではギター以外にも、テーブル、椅子、ゴミ箱などさまざまな物が試合の演出に使用されてきました。
特にテーブルへレスラーが落下して真っ二つになる場面は有名です。これも「テーブルなら何でも簡単に真っ二つになる」という意味ではなく、製品の構造や使用方法によって壊れ方が違います。
プロレスを見る際には、「映像で派手に破壊された=日用品も同じように安全に壊れる」と考えないことが重要です。
本物の高級ギターを毎回壊しているとは考えにくい
高品質なアコースティックギターには数十万円、場合によってはそれ以上する製品があります。そのような楽器を毎試合の破壊演出のために用意するのは経済的ではありません。
ステージ上で破壊することが前提なら、演奏品質よりコストや壊れ方を優先して選ばれたギターを使用する方が合理的です。
外見だけでは高価な楽器と安価な楽器を判別しにくいため、観客から見れば十分「本物のギターが壊れた」という迫力を得られます。
古いギターなら壊れやすくなることもある
木製の楽器は保管環境によって状態が変化します。極端な乾燥や湿気、接着剤の劣化、既存の亀裂などがあれば、新品時より強度が落ちる場合があります。
そのため古く傷んだギターを強くぶつければ、状態の良い新品より簡単に壊れる可能性があります。
ただし年代が古いだけで自動的に弱くなるわけではありません。適切に保管されたヴィンテージギターには現在でも演奏可能なものが多数あります。
自宅のギターで試すのは危険
プロレスの映像を見て「本当に簡単に割れるのか実験してみたい」と考えるのはおすすめできません。
ギターが破損すると尖った木片が飛散する可能性があります。また金属弦が切れれば、張力が解放された弦が跳ねる場合があります。ペグ、ブリッジなど硬い部品もあります。
特に人を相手にして試すことは非常に危険です。プロレスの破壊演出は訓練を受けたプロが、演出や安全管理を考慮した環境で行っているものとして見るべきです。
「壊れやすい物=当たっても痛くない」ではない
例えば薄い木板も、割れるほどの速度で人へ当たれば当然痛みやけがにつながります。割れた瞬間には鋭い断面が生まれることもあります。
同様にアコースティックギターも、ボディが壊れやすい構造だから安全な道具というわけではありません。
特にネック部分はボディよりはるかに厚く頑丈です。どの部分が相手へ当たるかによって危険性も大きく変化します。
プロレスラー側にも受ける技術と打ち合わせがある
プロレスでは対戦相手と協力して試合を成立させます。危険な攻撃については、タイミングや位置など安全性を考える必要があります。
ギターを使用する場面でも、相手がまったく予想していない状態で一般人へ突然フルスイングするのとは条件が異なります。
それでも事故が完全になくなるわけではないため、プロレスラーにとっても凶器を使う場面はリスクのある演出です。
プロレス映像を見るときは「実用品」と「演出用品」を分ける
プロレスはスポーツ的な身体能力とショーとしての演出を組み合わせたエンターテインメントです。そのためリング上に登場する物が、家庭で使用されている同種の製品と完全に同じ条件とは限りません。
これはギターだけではなく、テーブルなどにも当てはまります。破壊されることを前提とした小道具なら、観客には本物らしく見せながら予定した壊れ方をしやすくする意味があります。
逆に本物の頑丈な用品をそのまま使えば、壊れないことで選手へより大きな衝撃が加わる危険性があります。
一般的なギターとプロレス演出用を整理すると
両者の違いを大まかに整理すると次のようになります。ただし個々のプロレス興行で実際にどのようなギターが使用されたかは異なります。
| 項目 | 一般的なアコースティックギター | 破壊演出で使われる場合 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 演奏 | 視覚・音による演出 |
| 強度 | 通常の演奏・運搬に耐える | 壊れ方を考慮する場合がある |
| 価格 | 製品により数千円~高額 | 高価な楽器を使う必然性は低い |
| 安全性 | 人へ叩きつける用途ではない | 演出として安全性を考慮する必要がある |
| 破壊時 | 木片・金属部品が危険 | それでも事故の危険は残る |
まとめ|ギターのボディは強い衝撃で割れるが、プロレスのように安全に粉々になるとは限らない
アコースティックギターのボディは、音を響かせるため比較的薄い木材と内部の補強材で作られています。そのため大きな衝撃を受ければ、表板や側板が割れて大きく破損すること自体は不思議ではありません。
一方で、通常のギターが「非常に壊れやすいから、誰かへ一度叩きつければ安全に粉々になる」という意味ではありません。一般的な楽器は通常使用に耐えられる強度を持ち、ネックや金属部品など頑丈で危険な部分もあります。
プロレスでギターが派手に粉々になる場面については、演出上、破壊に適した安価なギターや小道具を利用したり、壊れやすさを考慮した準備をしたりする場合があります。ただし団体や試合によって方法は異なるため、すべてのギターが同じ加工を受けていると断定することはできません。
またギターが壊れることで衝撃の一部が破壊へ使われるとしても、人へ当てれば危険です。割れた木材、金属弦、ペグなどによってけがをする可能性があります。
したがって昔のプロレスで見られたギター攻撃は、「ギターは簡単に壊れる」というより、「薄い空洞構造のギターが破壊演出に向いており、プロレスではさらに演出と安全性を考えて使用されることがある」と理解するのが適切です。


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