日テレのポルトガルvsクロアチアで語られたペリシッチの「左サイド」とは?左SB・左WGの役割と布陣を解説

FIFAワールドカップ

2026年FIFAワールドカップのポルトガル対クロアチア戦では、日本テレビの中継開始直後にイヴァン・ペリシッチの左サイドでの起用について解説がありました。この場面は「左サイドバックなのか、左ウイングなのか」「普段と何が違うという話だったのか」が少し分かりにくかった人もいるようです。

まず重要なのは、ペリシッチはもともと左サイドバックを本職としてきた選手というより、左ウイングを中心に、左ウイングバックや左サイドの守備的ポジションまでこなしてきた非常にユーティリティー性の高い選手だということです。UEFAではポジションをFW、現在所属するPSVでも左ウイングとして扱われています。[参照:UEFA]

そのうえでポルトガル戦では、メンバー表上のポジション表記と実際の立ち位置にズレがありました。中継の発言を一字一句確認できる公開文字起こしは確認できませんが、試合の布陣とペリシッチのキャリアを照らし合わせると、解説の趣旨は「本来は攻撃的な左サイドの選手だが、この試合では最終ラインに近い左サイドを担当し、攻撃時には高い位置まで出る」という説明だった可能性が高いです。

まずペリシッチは「もともと左サイドバック」の選手ではない

ペリシッチについて最初に整理しておきたいのが本来のポジションです。現在の所属クラブであるPSVや各種選手プロフィールでは、主に左ウイングとして登録されています。

UEFA公式プロフィールでもポジションはForwardとなっており、左サイドから攻撃へ参加する選手として長いキャリアを築いてきました。両足を使えるため右サイドにも入れます。[参照:UEFA公式プロフィール]

一方、インテル時代などには3バックの左ウイングバックとしてプレーしています。そのため守備ライン付近まで戻る能力もあり、年齢を重ねたクロアチア代表でも状況によって非常に幅広い役割を担当できます。

左ウイングと左ウイングバック、左サイドバックは何が違う?

サッカーを見慣れていない場合、「左サイド」という表現がやや曖昧に感じられます。同じ左側でも、ポジションによって役割はかなり違います。

ポジション 主な位置 主な役割
左ウイング 前線左 ドリブル、クロス、シュート、ゴール前への侵入
左ウイングバック 中盤から最終ライン左 攻撃時は高く上がり、守備時は最終ラインまで戻る
左サイドバック 4バックの左 守備を基本にしながらオーバーラップで攻撃参加

ペリシッチはキャリアの中心では左ウイングですが、左ウイングバックとしても高いレベルでプレーしてきました。そのため「DF登録のような位置から攻撃時にはウイングのように上がる」という使い方が可能です。

ポルトガル戦ではメディアによってポジション表記が違っていた

この試合が分かりにくかった大きな理由が、スターティングメンバーのポジション表記です。

Jリーグ公式の試合データではクロアチアの先発としてスタニシッチ、シュタロ、ポングラチッチをDF、ペリシッチをFWとして掲載しています。[参照:Jリーグ公式]

一方、海外のラインアップ表示ではペリシッチが最終ライン左に置かれているように示されるケースもありました。つまり「登録上のポジション」と「実際に試合中に担当する役割」が一致しにくい布陣だったのです。

クロアチアはペリシッチを左サイドの上下動に使える

ペリシッチの大きな特徴は、37歳になっても左サイドで上下動しながら攻守に参加できることです。

クロアチアがボールを保持したときには、ペリシッチが高い位置へ進み、左ウイングに近い位置を取ることができます。反対にポルトガルが攻撃するときには、自陣まで戻って左サイドの守備へ参加します。

そのためフォーメーション図では4バックの左サイドバックに見えても、実際にボールを持つ時間帯では3バックの外側にいるウイングバック、あるいは左ウイングのような位置まで上がることがあります。

「今日は左サイドに位置して」という説明は何を意味していた?

日本テレビ中継の正確な全文については、公式な文字起こしが公開されていないため、一字一句を断定することはできません。日本テレビ系の同試合は2026年7月3日に放送され、実況は伊藤遼アナウンサー、解説は城彰二氏と戸田和幸氏でした。[参照:日本テレビ系列番組情報]

ただし試合状況から考えると、解説が説明していたポイントは「ペリシッチが今日はどこでプレーするのか」というクロアチアの可変的な配置だったと考えられます。

つまり、ペリシッチは攻撃的な左サイドの選手として知られるが、この試合では守備時に左サイドバックに近い場所まで下がり、攻撃時には本来得意な左サイドの高い位置へ出ていくという意味で捉えると試合内容と一致します。

実際にペリシッチは左の高い位置まで上がっていた

試合ではペリシッチが単純に自陣左で守備を続けていたわけではありません。クロアチアが攻撃へ移ると積極的に高い位置を取り、ゴール前まで進出しています。

象徴的なのが後半53分の先制点です。スタニシッチが右サイドから送ったボールに対し、ペリシッチはペナルティーエリア左側まで上がっていました。そして流れてきたボールを受けてゴールを決めています。FIFA公式の試合レポートでも、スタニシッチのクロスにファーサイドでペリシッチが反応したと記録されています。[参照:FIFA公式]

左サイドバックが固定的に守備だけをしているなら、この位置まで頻繁に入るのは難しくなります。ペリシッチには攻撃時に大胆に高い位置を取る役割が与えられていたことが分かります。

クロアチアの布陣は見る側によって4バックにも3バックにも見える

現代サッカーでは「4-3-3」と発表されたチームが90分間ずっと4-3-3の位置で動くわけではありません。

守備時には4バックでも、攻撃時には片方のサイドバックが上がり、残りのDF3人で後方を作ることがあります。その瞬間だけ見れば3バック+ウイングバックのようになります。

逆に3-4-3でスタートしたチームでも、ウイングバックが自陣深くまで戻れば5-4-1のように見えます。ペリシッチのようにウイングとウイングバックの両方を経験している選手は、この可変を行いやすいタイプです。

ペリシッチが左サイドバックとして扱われることがある理由

ペリシッチは一般的な意味での「守備専門のサイドバック」とは少し違います。しかしウイングバック経験が非常に豊富なので、4バックの左で起用されても基本的な守備タスクをこなせます。

特にアントニオ・コンテ監督時代のインテルでは左ウイングバックとしてプレーし、攻撃時には前線へ進みながら、守備時には5バックの一角まで戻る役割を経験しています。

その経験があるため、クロアチア代表でも「攻撃力を保ちながら左の守備人数を確保したい」という試合では便利な存在になります。

本職SBを置く場合との違い

例えばヨシュコ・グヴァルディオルのような本職DFを左サイドバックへ置いた場合、1対1の守備や後方の安定性を高めやすくなります。

一方でペリシッチを置けば、守備力では純粋なDFより不安が出る可能性があるものの、攻撃時には左ウイングと同等のクロス、シュート、ゴール前への侵入を期待できます。

つまり監督にとっては、守備的な左SBを置くか、攻撃力の高いペリシッチを置くかという戦術的な選択になります。

ポルトガル戦ではなぜペリシッチの位置が注目されたのか

ポルトガルにはラファエル・レオンやペドロ・ネトなど、サイドから突破できる強力なアタッカーがいました。そのためクロアチアのサイド守備は重要なポイントでした。

そこで37歳のペリシッチを左側に置く場合、「レオンらの突破をどのように止めるのか」と「ペリシッチ自身がどこまで攻撃へ出るのか」という二つの問題が発生します。

中継開始時に解説がペリシッチの位置を取り上げたのは、この配置がクロアチアの攻守両面を理解するうえで重要だったためと考えられます。

実際には左サイドバックというより「左サイド全体を担当する選手」に近い

ペリシッチを理解するときは、「FWなのかDFなのか」と二択にするより、左サイド全体を担当できる選手と考えると分かりやすくなります。

守備時には自陣深くまで戻る一方、攻撃になれば一気に前へ出て、クロスやシュートを狙います。しかも両足を使えるため、縦へ突破して左足でクロスするだけでなく、中へ入り右足でシュートすることもできます。

この多機能性こそが、30代後半になってもクロアチア代表で重要な役割を任されている理由の一つです。

ポルトガル戦の先制点にも配置の狙いが表れた

後半53分のペリシッチのゴールは、この起用法を理解するうえで非常に分かりやすい場面です。

右サイドのスタニシッチからクロスが入ったとき、ペリシッチは反対側の左からゴール前へ進入していました。守備時の左DFという意識だけではなく、攻撃時にはファーサイドへ入るアタッカーとして動いていたわけです。

結果としてクロアチアはペリシッチの攻撃力を失うことなく、守備時には左サイドの人数として使うことができました。ポルトガルには最終的に2-1で敗れましたが、ペリシッチ自身の配置は得点という形で成果を出しています。[参照:クロアチアサッカー連盟]

中継を見るときはフォーメーション表示を絶対視しない

サッカー中継では試合開始時に4-3-3、4-2-3-1などのフォーメーション図が表示されます。しかし、それはキックオフ時の基本配置を分かりやすくしたものにすぎません。

実際には攻撃時、守備時、前からプレスをかけるとき、自陣に引いたときで形が変わります。同じ選手でも「左SB→左WB→左WG」のように見えるほど立ち位置が変わることがあります。

そのためペリシッチを見る場合も、画面上の「DF」「FW」という表記ではなく、ポルトガルがボールを持っているときとクロアチアがボールを持っているときにどこへ動くかを見ると、解説の意味が理解しやすくなります。

「左サイドバック」と「左サイド」は別の意味で使われる

実況や解説では「左サイド」という言葉をポジション名ではなく、ピッチ上のエリアを表す言葉として使うことがあります。

例えば「ペリシッチが左サイドに位置しています」と言った場合、それだけでは左サイドバックなのか左ウイングなのかは確定しません。単純に左タッチライン側にいるという意味の場合があります。

反対に「左サイドバックに入っています」であれば、基本的には最終ライン左を担当しているという意味になります。この言葉の違いも、中継を聞いたときに混乱しやすいポイントです。

放送の発言を正確に再現することは難しい

日本テレビ系のポルトガル対クロアチア戦については、放送日時や出演者の公式情報は確認できますが、実況・解説をすべて文字起こしした公式資料は公開されていません。

そのため「開始直後に○○さんがこの文章を言った」と正確なセリフを断定することは避けるべきです。記憶の中で「本来は左サイドの選手」「今日は左サイドバック」といった言葉の順番が入れ替わっている可能性もあります。

特にペリシッチのキャリアを考えると、「本来は左サイドの攻撃的な選手ですが、今日は左サイドバック寄りの位置に入っています」という趣旨なら非常に自然です。

まとめ|「本来は左の攻撃的選手だが今日は後ろから左サイド全体を担当」という意味で考えると分かりやすい

2026年7月3日に日本テレビ系列で放送されたポルトガル対クロアチア戦では、実況・伊藤遼アナウンサー、解説・城彰二氏、戸田和幸氏という体制で中継されました。[参照:日本テレビ系列番組情報]

放送冒頭のペリシッチについての正確な一字一句は公式文字起こしがないため確認できません。ただし、ペリシッチは本来左サイドバック専業の選手ではなく、キャリアの中心は左ウイングで、左ウイングバックも高いレベルでこなしてきた選手です。UEFAでもFWとして扱われています。[参照:UEFA]

ポルトガル戦では、メディアによってペリシッチをFWとして掲載するケースと後方の左に配置するケースがあり、実際のプレーでも守備時には低い位置へ戻り、攻撃時には左ウイングのように高い位置まで進んでいました。

したがって中継で言いたかった内容は、「普段は左の攻撃的なポジションでプレーするペリシッチが、この試合ではより後方の左からスタートし、状況に応じて高い位置へ出ていく」という戦術的な説明だったと捉えるのが最も自然です。

実際、後半53分には右サイドのスタニシッチからのクロスに対してペリシッチが左側からペナルティーエリアへ入り、クロアチアの先制点を決めました。[参照:FIFA] この場面を見ると、単純な守備専門の左サイドバックではなく、守備時には後ろへ入りながら攻撃では本来のウイング能力を使う役割だったことがよく分かります。

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