大相撲の歴史では、横綱に昇進した時点で圧倒的な強さを持つ力士もいれば、横綱になってからさらに成長して実績を積み重ねる力士もいます。鶴竜は後者の代表的な存在で、横綱昇進前の優勝回数は1回でしたが、最終的には通算6回の幕内優勝を達成しました。
横綱昇進後すぐに結果を残したわけではない鶴竜が、なぜ長期間にわたってトップ戦線で活躍できたのか。その理由や当時の相撲界の状況を振り返りながら解説します。
鶴竜の横綱昇進までの成績と評価
鶴竜は2014年春場所後に横綱へ昇進しました。昇進時点での幕内優勝は2014年春場所の1回のみで、白鵬や日馬富士のように複数回の優勝を重ねてから横綱になった力士とは異なるタイプでした。
そのため、横綱昇進時には「安定感は高いが、横綱として何度も優勝できるのか」という見方もありました。実際、横綱になってから初めて優勝するまでには時間がかかりました。
しかし、鶴竜の評価されていた部分は、突発的な爆発力ではなく、相手に合わせて取れる対応力と高い技術力でした。
横綱として初優勝まで9場所かかった理由
鶴竜が横綱昇進後初めて優勝したのは2015年夏場所で、横綱在位9場所目でした。この期間が長く感じられるのは、横綱には毎場所のように優勝争いを期待される厳しい立場があるためです。
当時の大相撲界には白鵬という歴史的な強豪が君臨しており、日馬富士も高い実力を持っていました。そのため、安定して勝ち星を重ねても優勝まで届かない場所が多くありました。
例えば、現在のリーグ戦のように単純な勝率だけで評価されるなら高い成績を残していても、当時は一人の圧倒的な横綱が優勝を独占する状況だったため、優勝回数を増やすことは簡単ではありませんでした。
鶴竜が最終的に6回優勝できた要因
鶴竜が6回の優勝を達成できた最大の理由は、横綱昇進後も自身の相撲を進化させ続けたことです。特に立ち合いの安定感や土俵際での粘り、相手の力を利用する技術は大きな武器でした。
また、鶴竜は怪我を抱えながらも、調子の良い時には非常に完成度の高い相撲を見せました。派手な攻撃型ではありませんでしたが、相手に隙を与えない取り口は横綱として十分なものでした。
横綱になった後に成長する力士は珍しくありません。鶴竜の場合も、昇進がゴールではなく、そこから横綱としての経験を積み重ねて結果につなげた例と言えます。
鶴竜の6回優勝はどれほど評価される記録なのか
横綱の優勝回数として6回という数字は、歴代の大横綱と比較すると突出して多いわけではありません。しかし、横綱として長く在位し、何度も優勝争いに加わった実績は高く評価されています。
特に、横綱昇進前の優勝回数が少なかった力士が、その後5回も優勝を追加した点は注目すべきポイントです。
これは鶴竜が一時的な勢いだけで横綱になったのではなく、長期間にわたり最高位で戦える実力を持っていたことを示しています。
遅咲きの横綱として見る鶴竜の魅力
大相撲では、横綱昇進直後から圧倒的な成績を残す力士もいますが、鶴竜のように時間をかけて横綱として完成していくタイプも存在します。
鶴竜は派手な相撲で観客を沸かせるタイプではありませんでしたが、相手を研究し、安定した相撲で勝利を積み重ねる職人的な魅力がありました。
横綱昇進前の実績だけを見ると、その後6回優勝する姿を予想するのは難しかったかもしれません。しかし、持っていた技術と精神力を考えると、長く成功したことには十分な理由があります。
まとめ:鶴竜の6回優勝は成長型横綱の証
鶴竜が横綱昇進後に通算6回優勝したことは、当時の相撲界を考えると決して簡単な記録ではありませんでした。
白鵬や日馬富士という強豪がいた時代に、時間をかけながら横綱としての力を高め、最終的に6回の幕内優勝を達成した点は大きな評価に値します。
鶴竜は、横綱昇進時の評価だけでは測れない、経験によって完成度を高めた遅咲きの横綱と言えるでしょう。


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