コンパスの偏差補正で西偏を引く理由とは?磁北と真北の違いをわかりやすく解説

ヨット、ボート

登山や測量などでコンパスを使う際、避けて通れないのが偏差(磁気偏角)の補正です。特に「西偏の場合は偏差を引く」と覚えたものの、西に傾いているものをさらに西方向へ補正しているように感じて混乱する人は少なくありません。この記事では、なぜ西偏では引き算になるのか、磁北・真北・方位角の関係からわかりやすく解説します。

コンパスが示す北と地図上の北は違う

まず理解しておきたいのは、コンパスの針が示している北と、地図に描かれている北は同じではないということです。

コンパスが示す北は「磁北」と呼ばれ、地球の磁場によって決まります。一方、地図上で基準になる北は「真北」と呼ばれ、地球の自転軸を基準にした北です。

この2つの北には場所によってズレがあり、その角度を「偏差」または「磁気偏角」といいます。日本では地域によって異なりますが、多くの場所で磁北は真北より西側にずれています。

西偏とは磁北が真北より西にある状態

例えば、ある場所で偏差が「西偏7度」だったとします。これは、磁北が真北より7度西側にあるという意味です。

図で考えると、真北を0度とした場合、磁北は西方向に7度ずれているため、磁北を基準に測った方位は実際の真北基準の方位とは7度の差が生じます。

つまりコンパスで測った角度は、すでに磁北基準の数字になっているため、真北基準の角度へ直す必要があります。

西偏で偏差を引く理由を具体例で理解する

例えばコンパスで東方向を測ったところ「90度」と表示されたとします。しかし、この場所が西偏7度なら、コンパスの0度(北)は真北より7度西にあります。

そのため、コンパスで測った90度は、真北基準では7度分だけ西側へずれた状態になります。真北基準の正しい角度を求めるには、コンパスの数値から偏差を引きます。

計算式にすると以下のようになります。

真方位 = 磁方位 − 西偏の角度

例えば磁方位が120度、西偏が7度の場合は、120−7=113度となり、真北基準では113度方向になります。

「さらに西へ補正しているように見える」理由

西偏を引くと、西へ傾いたものをさらに西へ動かしているように感じますが、これは角度の基準を混同していることが原因です。

補正している対象はコンパスそのものではなく、「コンパスが示した角度を真北基準の角度に変換する作業」です。磁北を中心に測った数字を、真北を中心にした数字へ戻していると考えると理解しやすくなります。

例えば時計の針が7分進んでいる状態で時刻を読む場合、表示されている時間から7分戻す必要があります。それと同じで、すでに西側へずれている基準から正しい基準へ戻すために引き算を行います。

東偏の場合は逆に足し算になる

反対に、磁北が真北より東側にある地域では「東偏」となります。この場合は磁方位に偏差を足して真方位を求めます。

計算式は以下のようになります。

真方位 = 磁方位 + 東偏の角度

つまり、磁北がどちら側にずれているかによって補正方法が変わります。「西なら引く、東なら足す」と覚えるだけでも実用上は問題ありませんが、基準の違いを理解しておくと迷いにくくなります。

コンパス補正を間違えないための覚え方

偏差補正で大切なのは、磁北から真北へ変換しているという意識を持つことです。コンパスの数字は磁北基準、地図の方位は真北基準という違いを常に意識しましょう。

覚え方としては「磁北が西にズレているなら、磁方位から西ズレ分を取り除く」というイメージがおすすめです。

登山などで地図とコンパスを合わせる場合も、地域の偏差を確認してから補正することで、目的地への方向をより正確に判断できます。

まとめ

コンパスの偏差補正で西偏の場合に引き算をするのは、磁北を基準に測った方位を真北基準へ戻すためです。

西偏では磁北がすでに西側へずれているため、そのズレを取り除く意味で偏差を引きます。「さらに西へ動かす」のではなく、「ずれた基準を正しい基準へ戻す」と考えると理解しやすくなります。

磁北と真北の違いを理解しておけば、コンパスの補正計算で迷うことなく、地図読みやナビゲーションに活用できるようになります。

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