中学生で体力や筋力に自信がなくても、運動習慣を少しずつ作れば十分に伸ばしていけます。50メートル走が遅い、シャトルランが続かない、腕立て伏せが1回もできないという状態でも、最初からハードな筋トレや長距離走をする必要はありません。
特に成長期は、毎日限界まで追い込むことより、正しいフォームで無理なく継続することが重要です。筋肉をつけたい場合も、まず自分の体重を使った運動、軽い有酸素運動、十分な食事と睡眠を組み合わせるだけで、基礎体力は少しずつ変わります。
この記事では、腕立て伏せができない段階から始める方法、シャトルランにつながる持久力づくり、50メートル走を改善するための基本、週3〜4回の具体的な初心者メニューまで順番に解説します。
- まずは「今できないこと」を無理にやろうとしない
- 腕立て伏せができないなら壁腕立てから始める
- 腕立て伏せの段階を上げる目安
- 腕を曲げられないときは「ゆっくり下ろす」練習も有効
- 体力をつけるなら最初はウォーキングと軽いジョギング
- シャトルラン対策には短いインターバルも役立つ
- 50メートル走を速くするなら長距離走だけでは不十分
- 短距離走では腕振りも重要
- 筋肉をつけるなら脚も必ず鍛える
- 椅子スクワットならさらに始めやすい
- 体幹は腹筋100回よりプランクから始める
- 背中の筋肉も忘れない
- 初心者向けの週3日筋トレメニュー
- ヒップリフトは走る力にもつながる
- 週4日なら体力と筋力を分けると続けやすい
- 最初の1カ月は回数を増やすより習慣化を優先する
- 3カ月続けるとどれくらい変わる?
- 筋肉をつけたいなら食事を減らしすぎない
- プロテインは必須ではない
- 睡眠は筋トレと同じくらい重要
- 筋肉痛がある日はどうする?
- ウォーミングアップを必ず行う
- 最初から重いダンベルは必要ない
- 体力テストの数字だけで自分を判断しない
- 記録を残すと成長が分かりやすい
- 体調がおかしい場合は無理に運動しない
- 最初の目標は腕立て1回・10分ジョギングで十分
- まとめ:腕立て0回でも段階を下げれば体力と筋力は伸ばせる
まずは「今できないこと」を無理にやろうとしない
腕立て伏せができない場合、床で通常の腕立て伏せを何度も失敗するより、簡単な形から段階的に練習したほうが上達しやすくなります。
同じように、シャトルランが17回程度なら、最初から長距離を全力で走る必要はありません。歩く時間を挟みながら20〜30分動き続けることから始めれば十分です。
体力づくりでは、「できない運動を根性で続ける」より、「できるレベルへ難易度を下げ、少しずつ上げる」ことが基本です。
腕立て伏せができないなら壁腕立てから始める
通常の腕立て伏せでは、胸、肩、腕だけでなく体幹も使います。そのため筋力がまだ少ないと、腕を曲げる前に身体全体が床へ落ちてしまうことがあります。
最初は壁に両手をつき、身体をまっすぐにしたまま胸を壁へ近づける「壁腕立て」を行います。10〜15回を2〜3セットできる程度から始めます。
壁腕立てが楽になったら、机や丈夫な台へ手をつく斜め腕立てへ進みます。その後、膝を床についた腕立て、通常の腕立てという順番で難しくしていきます。
腕立て伏せの段階を上げる目安
| 段階 | 種目 | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 壁腕立て | 15回×3セット |
| 2 | 机・台を使った斜め腕立て | 10〜15回×3セット |
| 3 | 膝つき腕立て | 8〜12回×3セット |
| 4 | 通常の腕立て伏せ | 1〜5回から開始 |
次の段階へ進んでフォームが大きく崩れるなら、一つ前へ戻って構いません。回数より、頭から膝または足までをなるべく一直線に保つことを優先します。
腕を曲げられないときは「ゆっくり下ろす」練習も有効
通常の腕立て伏せの姿勢を取れるなら、上からゆっくり身体を下ろすネガティブ腕立ても使えます。
例えば腕立ての上の姿勢から3〜5秒かけて床へ下がり、床についたら膝を使って元へ戻ります。これを3〜5回程度行います。
下ろす動作だけでも胸や腕へ刺激が入るため、通常の腕立てを1回できるようになるまでの橋渡しになります。
体力をつけるなら最初はウォーキングと軽いジョギング
シャトルランの回数を増やしたい場合、心肺機能を少しずつ高める必要があります。
最初は「2分歩く+1分ゆっくり走る」を繰り返し、合計20分程度動く方法がおすすめです。息が上がりすぎず、短い会話ができるくらいの速さで構いません。
慣れてきたら歩く時間を短くし、「1分歩く+2分走る」、さらに連続10〜20分ジョギングへ進めます。
シャトルラン対策には短いインターバルも役立つ
シャトルランは一定の速度で走り続けるだけでなく、折り返しと加速を繰り返す運動です。そのため基礎持久力がついたら、短いインターバル走も効果的です。
例えば20〜30メートルほどを少し速めに走り、歩いて戻るという練習を5〜8本程度行います。毎回全力疾走する必要はなく、7割程度のスピードで十分です。
こうした練習は週1回程度で構いません。毎日行うと脚や膝に疲れがたまりやすいため、軽いジョギングの日と分けます。
50メートル走を速くするなら長距離走だけでは不十分
50メートル走は持久力より、スタート、姿勢、腕振り、脚の素早い動きなどの影響が大きい種目です。
そのためジョギングだけを続けても、50メートル走が大幅に速くなるとは限りません。短距離用として10〜30メートル程度の短いダッシュを取り入れます。
例えば十分にウォーミングアップしたあと、20メートルを6〜8割程度で3〜5本走ります。慣れてきたら少しずつスピードを上げます。
短距離走では腕振りも重要
走るときに腕をほとんど動かさないと、脚だけで前へ進もうとして効率が悪くなります。
肘を軽く曲げ、前後へ素早く振ります。手を身体の前で左右に振るのではなく、進行方向と平行に近い形で動かすのが基本です。
家ではその場で足踏みしながら腕を速く振る練習を10〜20秒行うだけでも、動きの感覚を覚えられます。
筋肉をつけるなら脚も必ず鍛える
「筋肉をつけたい」と聞くと腕立てや腹筋ばかり行いたくなりますが、身体の大きな筋肉は脚やお尻にもあります。
初心者にはスクワットがおすすめです。足を肩幅程度に開き、椅子へ座るようにお尻を後ろへ下げ、無理のない深さまでしゃがみます。
まず10回×2セット程度から始め、フォームが安定したら15回×3セットへ増やします。
椅子スクワットならさらに始めやすい
スクワットで後ろへ倒れそうになる場合は、実際に椅子を後ろへ置きます。
椅子へゆっくり腰掛け、反動を使わず立ち上がる動作を繰り返します。これだけでも太ももとお尻を鍛えられます。
10回程度を無理なくできるようになったら、椅子へ完全には座らず、軽く触れるだけで立ち上がるようにすると負荷を上げられます。
体幹は腹筋100回よりプランクから始める
腹筋運動を大量に行う必要はありません。初心者にはプランクのほうが取り入れやすい場合があります。
肘と膝を床につき、頭から膝までを一直線にして20秒程度キープします。慣れたら膝を浮かし、つま先と肘で身体を支えます。
20〜30秒×2〜3セット程度から始め、腰が落ちたり反ったりする前に終了します。
背中の筋肉も忘れない
腕立て伏せなど前側の運動だけではなく、背中も鍛えると姿勢を保ちやすくなります。
安全に固定できるトレーニングチューブがある場合は、両手で引くローイング運動が使えます。道具がなければ、うつ伏せで腕を軽く浮かせる運動などから始めても構いません。
学校や公共施設のトレーニングルームを利用する場合は、中学生の利用条件を確認し、可能であれば指導者に器具の使い方を教えてもらいましょう。
初心者向けの週3日筋トレメニュー
| 種目 | 回数・時間の目安 |
|---|---|
| 壁腕立てまたは斜め腕立て | 8〜15回×2〜3セット |
| 椅子スクワット | 10〜15回×2〜3セット |
| 膝つきプランク | 20〜30秒×2〜3セット |
| ヒップリフト | 10〜15回×2〜3セット |
| 軽い背中の運動 | 10〜15回×2セット |
この程度でも、運動経験が少ない時期には十分な刺激になります。最初から毎日行う必要はありません。
ヒップリフトは走る力にもつながる
仰向けになり、膝を曲げて足を床につき、お尻を持ち上げる運動がヒップリフトです。
お尻や太ももの裏側を鍛えられ、走るときの地面を押す力にも関係します。
腰を反らせるのではなく、お尻を締めて身体を持ち上げることを意識し、10〜15回×2〜3セット程度から始めます。
週4日なら体力と筋力を分けると続けやすい
受験後に運動を始めるなら、最初は週3〜4日程度がおすすめです。
| 曜日 | 内容例 |
|---|---|
| 月 | 筋トレ20〜30分 |
| 火 | ウォーキング+軽いジョギング20分 |
| 水 | 休み |
| 木 | 筋トレ20〜30分 |
| 金 | 休み |
| 土 | ジョギング+短いダッシュ |
| 日 | 休みまたは散歩 |
最初から7日間すべて運動するより、休養日を入れながら続けるほうが身体が慣れやすくなります。
最初の1カ月は回数を増やすより習慣化を優先する
運動を始めると「毎日100回やる」といった大きな目標を立てたくなりますが、続かなくなる原因になりやすいです。
最初の1カ月は、週3回運動できたら十分と考えて構いません。1回20分程度でも継続すれば、身体は徐々に慣れていきます。
最初に目指すべきなのは「きつい運動ができる人」ではなく、「運動を続けられる人」になることです。
3カ月続けるとどれくらい変わる?
個人差はありますが、運動経験が少ない人ほど初期は変化を感じやすい傾向があります。
例えば壁腕立てしかできなかった人が斜め腕立てや膝つき腕立てへ進んだり、10分走るだけで苦しかった人が20分動き続けられるようになったりします。
50メートル走やシャトルランの記録も、体力、走り方、体重、成長など複数の要素によって変化します。数字だけでなく「階段で息切れしにくくなった」「体育が楽になった」といった変化も確認しましょう。
筋肉をつけたいなら食事を減らしすぎない
体力と筋力をつけたい時期に、ダイエット目的で食事を極端に減らすのはおすすめできません。
中学生は成長期でもあるため、主食、肉・魚・卵・豆類、野菜、乳製品などをバランスよく食べることが重要です。
筋肉をつけるために特別な食品だけを大量に食べる必要はありません。まず3食をきちんと食べることを優先します。
プロテインは必須ではない
筋トレを始めるとプロテインが必要だと思われがちですが、通常の食事から十分なたんぱく質を取れていれば必須ではありません。
肉、魚、卵、牛乳、ヨーグルト、納豆、豆腐など、身近な食品からたんぱく質を摂れます。
成長期のサプリメント利用について迷う場合は、自分だけで決めず、保護者や医師、管理栄養士などへ相談すると安心です。
睡眠は筋トレと同じくらい重要
運動した身体は休んでいる間に回復します。中学生の場合、学校生活や勉強もあるため、睡眠不足の状態で毎日運動すると疲労が残ります。
夜遅くまで筋トレするより、十分に睡眠を取り、翌日元気に動ける状態を作るほうが長期的には効果的です。
受験後に生活リズムが崩れないよう、寝る時間と起きる時間をある程度一定にすると運動も続けやすくなります。
筋肉痛がある日はどうする?
運動を始めたばかりの頃は、翌日から2日程度筋肉痛になることがあります。
軽い筋肉痛なら散歩や軽いストレッチ程度はできますが、同じ場所を強く鍛える必要はありません。
強い痛みや関節の痛みがある場合は休みます。筋肉痛を我慢して毎日追い込むことが成長への近道ではありません。
ウォーミングアップを必ず行う
いきなり全力ダッシュや筋トレを始めると、身体が準備できておらず痛める可能性があります。
最初に5〜10分程度歩き、軽い足踏み、肩回し、膝の曲げ伸ばしなどを行って身体を温めます。
短距離ダッシュをする日は、特に十分なウォーミングアップを行ってから速度を上げましょう。
最初から重いダンベルは必要ない
筋肉をつけたいからといって、中学生がいきなり高重量のバーベルやダンベルへ挑戦する必要はありません。
まず腕立て、スクワット、プランクなど自分の身体を使う運動で基本姿勢を覚えます。
将来的にウエイトトレーニングを行う場合は、正しいフォームを教えられる指導者のもとで、年齢や体力に合った負荷を使用するのが安全です。
体力テストの数字だけで自分を判断しない
50メートル走14秒、シャトルラン17回という数字を見ると不安になるかもしれませんが、それは現在の状態を示す一つの記録にすぎません。
運動習慣がなかった人は、数カ月継続するだけでも動き方や持久力が変化する可能性があります。
他人と比較するより、1カ月前の自分より何ができるようになったかを記録すると、続けやすくなります。
記録を残すと成長が分かりやすい
例えば腕立ての段階、ウォーキング・ジョギング時間、スクワット回数などをノートへ記録します。
毎週テストする必要はありません。2〜4週間に一度、「壁腕立てが何回できるか」「何分続けて走れるか」を確認する程度で十分です。
少しずつ回数や時間が増えれば、体力がついている証拠になります。
体調がおかしい場合は無理に運動しない
運動を始めたときに、胸の痛み、強い息苦しさ、めまい、失神しそうになる感覚などが出る場合は、単なる運動不足と決めつけず中止してください。
また、日常生活でも強い息切れがある、極端に疲れやすいなど気になる症状がある場合は、保護者へ伝えて医療機関へ相談することも大切です。
安全に続けることが、体力を伸ばすための前提です。
最初の目標は腕立て1回・10分ジョギングで十分
最初から腕立て20回やシャトルラン100回を目標にする必要はありません。
まずは通常の腕立て伏せを1回できる、10分間ゆっくり走り続けられる、スクワット15回をきれいなフォームでできる、といった小さな目標がおすすめです。
一つ達成したら、腕立て3回、ジョギング15分というように少しずつ更新します。
まとめ:腕立て0回でも段階を下げれば体力と筋力は伸ばせる
中学生で運動が苦手でも、現在の体力に合わせた運動から始めれば筋力と持久力は少しずつ伸ばしていけます。
腕立て伏せができない場合は、壁腕立て→斜め腕立て→膝つき腕立て→通常の腕立てという順番で進めます。通常の腕立てを最初から無理に繰り返す必要はありません。
シャトルラン対策では、ウォーキングと軽いジョギングを組み合わせて20分程度動くことから始め、慣れたら短いインターバル走を追加します。50メートル走については、長距離走だけでなく短いダッシュや腕振りも練習するとよいでしょう。
初心者なら週3〜4日の運動で十分です。筋トレ2日、有酸素運動1〜2日程度から始め、休養日を設けましょう。
また成長期なので、食事を極端に減らしたり、毎日限界まで筋トレしたりする必要はありません。3食をバランスよく食べ、睡眠を取り、少しずつ運動量を増やすことが大切です。
最初の目標は大きくなくて構いません。腕立て1回、10分ジョギング、スクワット15回など、現在の自分から一段上の目標を達成していくことで、数カ月後には運動に対する感覚そのものが変わってくる可能性があります。


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