サッカーで使われる「ファンタジスタ」という言葉は、単純に得点数やアシスト数が多い選手だけを指すものではありません。狭いスペースを一瞬で突破するドリブル、誰も予想しなかったラストパス、独創的なボールタッチ、観客を沸かせるフェイントなど、試合の中で「次に何をするのか分からない」と感じさせる創造性を持った選手に対して使われることが多い表現です。
現代サッカーは組織的な守備やハイプレスが高度化していますが、その中でも個人技によって局面を変えられる選手は数多く存在します。本記事では、2026年時点のプレー内容を踏まえながら、プレー集を見ると面白い「現代のファンタジスタ」と呼びたくなる選手をタイプ別に紹介します。
そもそも「ファンタジスタ」とはどんな選手なのか
ファンタジスタは厳密なポジション名ではありません。もともとはイタリア語の「fantasista」に由来し、日本ではロベルト・バッジョ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティ、ロナウジーニョ、ジネディーヌ・ジダンといった、創造性や技術で観客を魅了する選手を表現するときによく使われてきました。
典型的な昔のファンタジスタはトップ下で自由にプレーするタイプでした。しかし現代では戦術的な要求が増え、ウイング、インサイドハーフ、攻撃的MF、偽9番などから創造性を発揮する選手が増えています。そのため「背番号10のトップ下」だけに限定すると、現代のファンタジスタ的な選手をかなり取りこぼしてしまいます。
現代版ファンタジスタを見るポイントは、ポジションではなく「ボールを持った瞬間に何かが起こりそうか」です。ドリブル、パス、ターン、シュート、ボールの置き所などに独特のアイデアがある選手を探すと、プレー集も楽しみやすくなります。
まず見てほしい現代ファンタジスタの代表格
現在の選手から「ファンタジスタらしさ」を重視して選ぶなら、まず名前を挙げたいのがラミン・ヤマル、ジャマル・ムシアラ、フロリアン・ヴィルツ、ラヤン・シェルキです。それぞれタイプは異なりますが、決められたプレーを正確に実行するだけでなく、自分のアイデアによって守備側の想定を崩せる選手です。
| 選手 | ファンタジスタ的な特徴 | プレー集で注目したい部分 |
|---|---|---|
| ラミン・ヤマル | 左足、ドリブル、創造的パス | 右サイドからの1対1、切り返し、ラストパス |
| ジャマル・ムシアラ | 密集地帯のドリブル | 細かなタッチ、ターン、複数人の間を抜ける突破 |
| フロリアン・ヴィルツ | 判断力、パス、スペース感覚 | ワンタッチプレー、スルーパス、ライン間での動き |
| ラヤン・シェルキ | 両足の技術、意外性 | フェイント、逆を取るパス、狭い場所でのボール操作 |
特にシェルキは「昔ながらのファンタジスタ」という言葉が好きな人にはおすすめです。2024-25シーズンには欧州5大リーグの一定出場時間以上の選手を対象としたデータで、全公式戦における90分当たりのチャンス創出数がトップクラスでした。数字だけではなく、両足を使った予測しにくいプレーそのものが魅力です。[参照]
ドリブルを見るなら外せない現代のファンタジスタ
「プレー集でとにかくワクワクしたい」という場合は、ドリブラーから探すのがおすすめです。ラミン・ヤマル、ヴィニシウス・ジュニオール、ジェレミー・ドク、ジャマル・ムシアラ、クヴィチャ・クヴァラツヘリア、ミカエル・オリーズ、デジレ・ドゥエなどは、1対1から試合を動かせる代表的な選手です。
中でもヤマルは現代を代表する候補です。単純なスピードだけで縦に抜くのではなく、相手との距離を測りながら細かくボールを動かし、縦突破、カットイン、パスを使い分けます。2026年ワールドカップでもドリブルと創造性の両面で高い数字を残しており、「ドリブラー」と「プレーメーカー」が一人の中に共存しているタイプといえます。[参照]
ムシアラも必見です。派手なシザースを連発するというより、身体の向き、重心移動、細かなタッチを組み合わせて密集をすり抜けます。相手がボールを奪えそうに見える瞬間から抜け出してしまうため、スローモーションで見ると技術の細かさが分かりやすい選手です。
ドリブル系でチェックしたい選手
- ラミン・ヤマル:緩急と左足、突破後の判断まで優秀
- ヴィニシウス・ジュニオール:爆発的な加速と1対1
- ジャマル・ムシアラ:密集地帯を抜ける細かなドリブル
- ジェレミー・ドク:縦への加速とフェイント
- クヴィチャ・クヴァラツヘリア:独特の間合いと予測しづらい仕掛け
- ミカエル・オリーズ:滑らかな左足とドリブルからのチャンスメーク
- デジレ・ドゥエ:柔軟なボールコントロールと突破力
- ラファエル・レオン:大きなストライドとスピードを生かした突破
パスとゲームメークを見るならこの選手たち
ファンタジスタの魅力はドリブルだけではありません。「そこが見えているのか」と思わせるパスこそ好きだという人には、フロリアン・ヴィルツ、ラヤン・シェルキ、ブルーノ・フェルナンデス、マルティン・ウーデゴール、ペドリなどのプレーを見ると楽しめます。
ヴィルツは昔ながらのトップ下に近い魅力を持ちながら、現代サッカーに必要な運動量や連係能力も備えたタイプです。ドリブルで何人も抜く場面だけではなく、相手DFとMFの間でボールを受け、わずかな時間で前を向いて決定的なパスを出す場面に注目すると特徴がよく分かります。
ペドリは派手なフェイントだけを切り取った動画より、試合中のボールの受け方を連続して見るのがおすすめです。相手から離れるための立ち位置、ファーストタッチ、身体の向きを利用し、プレスを無効化します。「ボールを持っていない時間まで含めて上手い」というタイプの創造的MFです。
パス・ゲームメーク系でチェックしたい選手
- フロリアン・ヴィルツ:ライン間でのプレーとラストパス
- ラヤン・シェルキ:両足を使った予測不能なチャンスメーク
- ペドリ:プレス回避、ターン、テンポのコントロール
- マルティン・ウーデゴール:左足からのスルーパスとコンビネーション
- ブルーノ・フェルナンデス:積極的な縦パスとチャンス創出
- ベルナルド・シウバ:狭い場所でのキープと判断力
「意外性」を重視してプレー集を見るならこの選手
ファンタジスタという言葉には、上手さだけではなく「そんなプレーをするのか」という驚きも含まれています。この観点では、シェルキ、ヤマル、クヴァラツヘリア、ムシアラなどが特に面白い存在です。
例えば通常なら安全な横パスを選ぶ場面でヒールパスを通したり、シュートするように見せて逆方向へラストパスを送ったり、DFが足を出した瞬間だけボールを動かしたりします。こうしたプレーは成功率だけで評価すると価値を見落としやすく、映像で見ることで初めて凄さが伝わります。
また、現代ではFWにもファンタジスタ的要素を持つ選手がいます。キリアン・エムバペのような圧倒的な突破力を持つ選手、ネイマールから続くブラジル的な技術を感じさせるヴィニシウス、ウイングでありながらゲームメーカーのように振る舞うヤマルなど、従来の「10番」以外にも対象を広げると面白いプレー集が大量に見つかります。
現代ファンタジスタ候補をできるだけ多く挙げると
プレースタイルの好みには個人差があるため、ファンタジスタを一人に決める必要はありません。ドリブル、パス、ボールタッチ、創造性、意外性という観点から、プレー映像を探す価値が高い選手をまとめると次のようになります。
| 選手 | 特に面白いポイント |
|---|---|
| ラミン・ヤマル | ドリブル、左足、ラストパス |
| ジャマル・ムシアラ | 密集突破、ターン |
| フロリアン・ヴィルツ | パス、判断、連係 |
| ラヤン・シェルキ | 両足、フェイント、創造性 |
| ヴィニシウス・ジュニオール | 高速ドリブル、1対1 |
| クヴィチャ・クヴァラツヘリア | 独特の間合い、突破 |
| ジェレミー・ドク | 加速、縦突破 |
| ミカエル・オリーズ | 左足、ドリブル、チャンスメーク |
| デジレ・ドゥエ | テクニック、突破、柔軟性 |
| ペドリ | ターン、パス、プレス回避 |
| マルティン・ウーデゴール | スルーパス、左足の技術 |
| ベルナルド・シウバ | キープ力、狭い場所での技術 |
| ブルーノ・フェルナンデス | 縦パス、チャンス創出 |
| ラファエル・レオン | スピード、ダイナミックなドリブル |
| ケナン・ユルディズ | ドリブル、シュート、創造性 |
| アントニオ・ヌサ | 1対1、細かなボールタッチ |
| マイケル・クドゥス | フィジカルとドリブルの融合 |
| 三笘薫 | 縦突破、緩急、相手との駆け引き |
| 久保建英 | 左足、細かなタッチ、コンビネーション |
| リオネル・メッシ | ドリブル、パス、視野、得点力を融合した技術 |
なお、メッシはキャリア終盤に入った現在でも「ファンタジスタとは何か」を理解するうえで非常に参考になる選手です。全盛期の映像だけでなく、スピードに頼る割合が減ってからのパス、ポジショニング、相手の逆を取るファーストタッチを見ると、創造性が必ずしも身体能力だけから生まれるものではないことが分かります。
プレー集を探すときにおすすめの検索方法
選手名に単純に「プレー集」と付けても楽しめますが、技術を詳しく見たい場合は検索キーワードを変えると違った映像が見つかります。「skills」「dribbling」「assists」「playmaking」「every touch」「vs」などを選手名と組み合わせる方法がおすすめです。
例えば「Lamine Yamal dribbling」「Musiala skills」「Cherki playmaking」「Wirtz every touch」のように検索します。「every touch」は特におすすめで、ゴールや華麗なプレーだけを編集した動画とは違い、一試合でその選手がボールに触れた場面を追いやすいため、実際の判断力やポジショニングまで確認できます。
ファンタジスタらしさだけを楽しむならハイライト動画、選手としての本当の上手さを確認するなら「every touch」や特定試合の個人ハイライト、というように使い分けると理解が深まります。
まとめ|現代にもファンタジスタはいる。ただし姿が変わった
現代サッカーでは昔のようにトップ下で守備の負担を抑えながら自由にプレーする選手は少なくなりました。そのため「昔ほどファンタジスタがいない」と感じることがあります。しかし、創造性そのものが消えたわけではありません。
ラミン・ヤマル、ジャマル・ムシアラ、フロリアン・ヴィルツ、ラヤン・シェルキを筆頭に、ヴィニシウス、クヴァラツヘリア、ドク、オリーズ、ドゥエ、ペドリなど、現代にも観客の予想を超えるプレーをする選手は多数います。
昔ながらの「10番らしさ」ならシェルキやヴィルツ、ドリブルならヤマルやムシアラ、爆発的な1対1ならヴィニシウスやドク、ゲームメークならペドリやウーデゴールというように、自分が好きなタイプから映像を追っていくとよいでしょう。ファンタジスタという言葉をポジションではなく「想像を超えるプレーができる選手」と捉えると、現代サッカーにも魅力的な候補が数多く見つかります。

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