バドミントンのラケットを使っていないときに、突然「プツッ」「パンッ」という音がしてガットが切れることがあります。実際にシャトルを打っている最中ではなく、部屋に置いていたりラケットケースへ入れていたりした状態でも起こり得る現象です。
ガットには張った瞬間から常に強い張力がかかっています。使用による摩耗や経年劣化、温度変化、グロメットの傷みなどが重なると、最後のわずかな強度を失ったところで、触っていなくても自然に切れることがあります。
そのため「使っていないときに切れた=誰かがハサミで切った」とは限りません。切れた場所や断面、ガットの毛羽立ちなどを確認すると、使用中の摩耗による破断だったのか、フレーム付近で傷んでいたのかをある程度推測できます。ここでは、突然ガットが切れる理由と、その後にラケットをどう扱えばよいのかを詳しく解説します。
- バドミントンのガットは何もしていなくても切れることがある
- 一番多い原因はガット同士がこすれて細くなる「ノッチ」
- 切れたガットが毛羽立っていれば摩耗の可能性が高い
- フレーム付近で突然切れることもある
- シャトルをフレーム付近で打つとダメージが残ることがある
- 温度変化もガットへ影響する
- 高いテンションほど一本の傷が問題になりやすい
- 細いガットは打球感が良い一方で耐久性が低い傾向がある
- 張ってから長期間使わなくても劣化は進む
- 自然に切れた場合とハサミで切った場合の違い
- 突然切れたことを家族へ説明するならどうすればいい?
- 切れた場所を写真に残しておくのもおすすめ
- ガットが1本切れたまま放置しない方がいい理由
- 自分で残りのガットを切る場合は一か所だけ切らない
- フレーム付近で切れたらグロメットも点検する
- 中央付近で切れるなら通常の摩耗であることも多い
- ガットは切れる前に張り替えた方がいい?
- ガットを長持ちさせるためにできること
- 突然「プッ」と切れる音がするのも不自然ではない
- 新しく張ったばかりなのに切れた場合はショップへ相談
- まとめ|ガットは触っていないときでも自然に切れることがある
バドミントンのガットは何もしていなくても切れることがある
結論からいうと、何もしていない瞬間にガットが切れることは十分にあります。ラケットへ張られたガットは、保管中でもテンションが完全になくなるわけではありません。
例えば20ポンド、24ポンド、26ポンドといったテンションで張ったガットは、縦糸と横糸がお互いに押し合いながらフレーム全体へ力をかけています。使用によって一本のガットがかなり細く削れていた場合、そこへ残っている張力だけでも破断することがあります。
イメージとしては、強く引っ張った輪ゴムに小さな傷が入っている状態に近いでしょう。傷が入った瞬間には切れなくても、そのまま力がかかり続け、後になって突然切れることがあります。
一番多い原因はガット同士がこすれて細くなる「ノッチ」
バドミントンのガットは、縦糸と横糸が交差しています。シャトルを打つたびにガットがわずかに動き、交差部分同士がこすれます。
この摩擦によってガットの交差部分に溝ができる現象を、一般的にノッチなどと呼びます。使用を続けると溝が徐々に深くなり、最終的にはガットの太さの一部しか残っていない状態になります。
ここまで摩耗すると、最後にシャトルを打ったときには切れず、数十分後や数時間後に残った部分が張力へ耐えられなくなって切れることがあります。そのため、ラケットを置いていたとき突然音がしても不思議ではありません。
切れたガットが毛羽立っていれば摩耗の可能性が高い
自然な摩耗によって切れた場合、切断部分が完全にまっすぐになっていないことがあります。ガットの繊維がほぐれていたり、毛羽立ったような形になっていたりします。
また切断部分の近くを見ると、ガット同士が交差していた場所に小さなくぼみや削れが見えることがあります。これは長期間使用した証拠の一つです。
一方、刃物で切った場合には比較的鋭く整った切断面になることがあります。ただしガットの素材や刃物の状態でも断面は変わるため、見た目だけで100%断定することはできません。
フレーム付近で突然切れることもある
ガットが中央ではなく、ラケットフレームのすぐ近くで切れるケースもあります。この場合は、ガットそのものの摩耗以外にグロメットの状態も確認したいところです。
グロメットとは、ラケットのフレームに付いている小さな樹脂製パーツです。ガットが直接カーボン製フレームの角へ触れて傷つかないよう保護しています。
長期間使用してグロメットが割れたりつぶれたりすると、ガットが硬い部分へ直接当たり、局所的に傷むことがあります。その状態で張力がかかり続けると、保管中に突然切れることも考えられます。
シャトルをフレーム付近で打つとダメージが残ることがある
バドミントンでは毎回スイートスポットの中央へシャトルが当たるとは限りません。フレームぎりぎりに当たる、いわゆるミスヒットをすると、一部のガットへ大きな力が集中することがあります。
その瞬間にガットが切れなくても、内部に傷やダメージが残る場合があります。そして練習後にラケットを置いてから、その傷んだ場所が張力に負けて切れることがあります。
したがって「最後に使ったときは普通だった」という場合でも、最後の練習で受けたダメージが後から破断につながった可能性があります。
温度変化もガットへ影響する
ラケットのガットやフレームは温度の影響を受けます。特に真冬や真夏は保管環境に注意が必要です。
寒い環境では素材の柔軟性が変化し、ガットが切れやすく感じられることがあります。また暖かい体育館から非常に寒い屋外へ持ち出すなど、急激な温度変化もラケットにとって好ましい環境とはいえません。
逆に夏の自動車内は非常に高温になることがあるため、ラケットやガットだけでなくグリップなどにも負担がかかります。ラケットは極端な高温・低温を避け、室内で保管するのが基本です。
高いテンションほど一本の傷が問題になりやすい
高テンションで張っているラケットでは、ガットに大きな張力がかかっています。そのため摩耗が進んだ一本に小さな傷があれば、その部分が破断の起点になることがあります。
もちろん高テンションだから必ず突然切れるわけではありません。耐久性はガットの太さ、素材、プレー頻度、打ち方などによっても変わります。
ただし初心者が必要以上に高いテンションを選んでもメリットばかりではありません。部活動で使う場合は、顧問やショップスタッフと相談し、自分のレベルに合ったテンションで張る方が安心です。
細いガットは打球感が良い一方で耐久性が低い傾向がある
バドミントン用ガットにはさまざまな太さがあります。一般に細いガットは反発感や打球音などを好む人が多い一方、太いガットに比べると摩耗に対する余裕が少なくなる傾向があります。
例えば同じ練習量でも、細いガットでは交差部分の摩耗が進むと破断までの残り部分が小さくなります。そのため「最近やけにガットが切れる」という場合は、使用しているガットの太さを確認してみる価値があります。
部活動で毎日のように練習し、耐久性を優先したい場合は、ショップで「切れにくさを重視したい」と伝えてガットを選ぶ方法もあります。
張ってから長期間使わなくても劣化は進む
ガットは張った直後の状態を永久に維持できるものではありません。時間とともにテンションが低下し、素材も少しずつ変化します。
さらに過去の練習でできた摩耗や傷は、使わずに保管したからといって元に戻りません。すでに切れる寸前まで削れていた場合には、保管中に破断しても不自然ではありません。
したがって「今日は使っていないのに切れた」という事実と、「ガットが傷んでいなかった」ということは同じではありません。破断の原因はそれ以前の練習で蓄積していた可能性があります。
自然に切れた場合とハサミで切った場合の違い
| 確認ポイント | 自然な摩耗・破断 | 刃物による切断 |
|---|---|---|
| 切断面 | 毛羽立つ・不規則な場合がある | 比較的そろう場合がある |
| 交差部分 | 削れや溝が見つかることがある | 周囲に摩耗がない場合もある |
| 切れる場所 | スイートスポット周辺やフレーム付近など | どこでも可能 |
| 発生タイミング | 使用中だけでなく保管中にも起こり得る | 切った瞬間 |
| ガット周辺 | 以前から毛羽立ち・摩耗が見えることがある | 比較的新しいままの場合もある |
ただし、表だけで完全に判別できるわけではありません。確実に状態を確認したいなら、張り替えを依頼するバドミントンショップで切れた部分を見てもらうのがよいでしょう。
突然切れたことを家族へ説明するならどうすればいい?
知らない人から見ると、「使っていないラケットのガットが勝手に切れる」という話は不思議に聞こえるかもしれません。しかしガットには常時張力がかかっているため、事前に摩耗していれば保管中の破断は物理的に十分起こり得ます。
説明するときは、「ガットは張っている間ずっと引っ張られていて、練習で交差部分が少しずつ削れる。切れる寸前まで削れていたから、置いているときに残った部分が耐えられなくなったみたい」と説明すると伝わりやすいでしょう。
さらに切れたガットをそのままショップへ持参し、スタッフに状態を確認してもらう方法もあります。第三者から「自然に切れることはあります」と説明してもらえれば納得してもらいやすくなるでしょう。
切れた場所を写真に残しておくのもおすすめ
自然破断の原因を調べたい場合は、ガットをすぐ全部外す前に切れた場所を写真に撮っておくと便利です。
ラケット全体の写真と、切断部分を近くから撮った写真の両方を残します。中央で切れたのか、フレーム付近なのかによって考えられる原因が変わります。
ショップへ張り替えを依頼するときに写真を見せれば、摩耗、グロメット、ミスヒットなどの可能性を判断する材料になります。
ガットが1本切れたまま放置しない方がいい理由
ガットが切れた後に特に重要なのが、ラケットをそのまま長期間放置しないことです。
ガットを張ったラケットでは、縦糸と横糸の張力が互いにバランスを取りながらフレームを支えています。一本が切れると、その周辺だけ張力のバランスが崩れます。
特に高テンションの場合にはフレームへ偏った力が残る可能性があるため、切れたことを確認したら使用を中止し、できるだけ早く張り替えへ出しましょう。
自分で残りのガットを切る場合は一か所だけ切らない
張り替え前に自分でガットを外すこともできますが、適当に一か所ずつ切っていくのはおすすめできません。
安全に外すには、フレームへかかる力が一方向へ偏らないよう、中央付近から縦・横を交互にバランスよく切って張力を解放します。
やり方が分からない場合は無理に触らず、そのままラケットショップへ持っていく方が安心です。特に高価なラケットや高テンションで張っているものでは、ショップに任せるのがおすすめです。
フレーム付近で切れたらグロメットも点検する
同じ場所で何度もガットが切れる場合は、ガットだけを新品にしても再発する可能性があります。
特にフレーム付近で毎回切れる場合は、グロメットが割れていないか、穴の周辺でガットへ傷が付いていないかを確認しましょう。
ショップではガット張り替えと同時にグロメットの状態も確認できます。「いつもこの辺で切れます」と伝えておけば、必要に応じて部品交換を提案してもらえます。
中央付近で切れるなら通常の摩耗であることも多い
普段シャトルが当たるスイートスポット付近で切れている場合は、プレーによる通常の摩耗が原因として考えやすくなります。
特に縦糸と横糸が交差する部分に深い溝ができ、その場所から切れているなら、ガットを十分に使用した結果である可能性が高いでしょう。
これはラケットに異常があるという意味ではありません。タイヤやシューズと同じように、ガットも使用によって摩耗する消耗品です。
ガットは切れる前に張り替えた方がいい?
必ず切れるまで使わなければならないわけではありません。ガットは時間とともにテンションが落ちるため、切れていなくても打球感が大きく変わることがあります。
また交差部分がかなり深く削れ、今にも切れそうな状態なら、試合直前に突然切れるより事前に張り替えた方が安心です。
大会前など重要な時期には、ガットの毛羽立ちやノッチを確認し、状態が悪ければ早めにショップや顧問へ相談するとよいでしょう。
ガットを長持ちさせるためにできること
ガットは消耗品なので絶対に切れないようにはできませんが、不必要な劣化を避けることはできます。
- 必要以上に高いテンションで張らない
- 自分の用途に合った耐久性のガットを選ぶ
- 極端に暑い・寒い場所へ長時間放置しない
- ラケット同士や硬い物へぶつけない
- ガットの毛羽立ちやノッチを定期的に確認する
- フレーム付近で頻繁に切れるならグロメットを確認する
特に部活動では使用時間が長くなりやすいため、ガットの種類によっては比較的短期間で摩耗することもあります。
突然「プッ」と切れる音がするのも不自然ではない
ガットには張力がかかっているため、切れた瞬間には溜まっていた力が一気に解放されます。そのため小さな「プツッ」という音だけでなく、「パンッ」と比較的大きな音がすることもあります。
静かな部屋で突然切れるとかなり驚きますが、音がしたこと自体は故意に切った証拠ではありません。むしろ張力を持った糸が瞬間的に破断すれば音が出るのは自然です。
切れた直後にガットが大きく緩んでいることも、張られていた力が解放された結果です。
新しく張ったばかりなのに切れた場合はショップへ相談
何か月も使用したガットなら自然な摩耗を考えやすいですが、張った直後や数回しか使っていない状態で突然切れた場合は、一度ショップへ相談した方がよいでしょう。
ミスヒットによる傷のほか、グロメットの不具合、張り上げ時にガットへ傷が入った可能性なども考えられます。
特に毎回ほぼ同じフレーム位置で早期に切れる場合は、ラケット側を確認してもらうことをおすすめします。
まとめ|ガットは触っていないときでも自然に切れることがある
バドミントンのガットは、ラケットを使っていない瞬間でも突然切れることがあります。ガットには保管中も張力がかかっており、練習によって交差部分が削れていたり、ミスヒットで傷が付いていたりすると、最後に残った部分が時間差で破断することがあるためです。
特に中央付近で切れ、交差部分に深い溝や毛羽立ちがあれば通常使用による摩耗が考えられます。フレーム付近で切れた場合にはグロメットの劣化や過去のミスヒットなども確認するとよいでしょう。
家族などへ説明する場合は、「ガットにはずっと強い張力がかかっていて、練習で削れた場所が切れる寸前になっていたため、触っていなくても残った部分が耐えられず切れることがある」と伝えると分かりやすいでしょう。
それでも疑われてしまう場合は、切れた状態のラケットをそのままバドミントンショップへ持っていき、スタッフに確認してもらう方法があります。切断箇所や摩耗状態を見れば、自然な破断として考えられるかを専門的な立場から説明してもらえる可能性があります。
なおガットが切れたラケットは張力のバランスが崩れているため、そのまま長期間放置したり使用を続けたりせず、早めに張り替えるのがおすすめです。ガットはラケット本体の故障ではなく、使えば摩耗していく消耗品なので、突然切れたこと自体は珍しくない現象です。


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